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エッセー, 健康プチセミナー
デング熱 Vol.04
2009年03月10日
ケアンズでのデング熱発症件数は2009年2月12日現在で335人と猛威が衰えるところを知りません。
また、テレビやラジオなどのメディアやパンフレットなどを通じて、デング熱に対する警笛を鳴らしているにもかかわらず、デング熱で苦しむ患者は後を経ちません。日常のほんの少しの注意、予防を心がけるだけでこの病は克服できます。
【デング熱についての基本知識】
デング熱は、デングウイルスを保有した小型のヤブ蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ)に刺されることにより感染するウイルス性の疾患です。
デング熱を媒介するネッタイシマカは、熱帯の都市環境に良く適応していて、ヒトの生活圏、例えば家屋内外の小さな水たまり(空き缶、鉢植えの受け皿、植物の切り株、古タイヤなど)で繁殖します。
このネッタイシマカは昼間吸血性で、日の出後と日没前の数時間に最も活発になりますが、日陰や室内、曇天では一日中活動します。
特に家の中の暗い場所(ソファー、椅子、テーブル、ベッドの下、カーテンの中、食器棚など)に隠れています。
デングウイルスは蚊→ヒト→蚊の感染サイクルで維持され、ヒトからヒトへの直接感染はありません。
デングウイルスは、血清学的に4つの型があります。例えば2型に感染した場合、2型に対しては終生免疫がありますが、4つの型があるため、理論的には4回感染するわけです。
【症状】
デングウイルス保有の蚊に刺されて(感染)から発症するまでの期間(潜伏期)は、普通4~7日です。
症状は、急激な発熱(38~40度)で始まり、頭痛、関節痛、筋肉痛、眼窩痛、倦怠感を伴います。
発熱は4~8日間継続し、痒みを伴ったハシカ様の発疹が、熱の下がる頃に胸部や四肢に広がることがあります。
また、食欲不振、全身倦怠感は1~2週間続き、血小板が減少した例では、鼻出血、歯肉からの出血、生理出血の過多を見ることもあります。
通常、これらのデング熱の症状は1~2週で軽快し、後遺症を伴うことは殆どありません。
【診断】
急性の熱性疾患で、頭痛、筋肉痛、関節痛、眼窩痛、発疹、出血傾向などデング熱を疑わせる症状があって、この期間に血中のデングウイルスIgM抗体は、発症の4~5日目頃から陽性となり、この時点でデング熱の診断が得られます。
そして、デングウイルス抗体(IgM、IgG)やデングウイルスの分離などの検出があれば、デング熱の診断は確実となります。
症状が似ていてデング熱と鑑別を必要とする疾患には、発疹を伴うウイルス性疾患(麻疹、風疹)、腸チフス、マラリア、インフルエンザ、髄膜炎、A型肝炎などがあります。症状のみでは、デング熱の診断はできません。
症状が疑わしい場合は必ず医師の診察を受けて下さい。
【治療】
デング熱に対する特効薬はありません。
治療は症状に応じた対症療法が基本で、脱水予防に経口による水分補給や点滴補液療法が重要となります。
解熱剤には、パラセタモール(アセトアミノフェン)を用いるのが一般的で、アスピリンは出血傾向を増強する恐れがあるので禁忌です。
また、デング熱はウイルス性疾患のため、抗生剤は全くの効果はありません。
【デング出血熱:DHF】
デングウイルスの感染でありながら、デング熱とは異なった重篤な病態を呈するものにデング出血熱があります。
このデング出血熱は、抵抗力の弱い小児(3~7歳)や老人に多く発症する傾向があります。
いくら体力に自信がある成人でも、症状はかなりつらいです。
発熱の2~7日後に不安・興奮状態となり、胸水や腹水の貯留が高い頻度で見られ、肝臓の腫大も伴います。
血小板数の著しい減少と血液凝固時間の延長により、全身の出血傾向(皮下出血、鼻血、吐血、下血、血尿)が見られ、重症例では血圧が低下しショック症状に陥るもので、通常のデング熱とは全く異なった経過をたどります。
デング出血熱の患者に対する治療は点滴補液が主体ですが、血小板減少の程度により血小板輸血が必要となります。
適切な治療がなければ、死亡率は15%程度に上ります。
しかし、治療が遅れた場合には40~50%にまで上がるといわれています。
同じデングウイルスの感染でありながら、デング熱とは異なった病態のデング出血熱は、初回感染より2度目以降の感染に多い傾向があります。
このデング出血熱が、どのようなメカニズムで発症するかは諸説あり、今のところ不明です。
【予防について】
現在、デング熱予防ワクチンはすでに開発中ですが、実用化はされていませんし、マラリアのような予防薬もありません。
ネッタイシマカはヒトの生活圏で繁殖しますので、蚊の繁殖する環境を徹底的に排除すること(家屋内外の小さな水たまりの処理)が最も重要と思われます。
また、蚊に刺されないよう外出時には虫除けスプレーを用いたり、厚手の服の着用(長袖、長ズボン)である程度は予防できます。
上記にも挙げたように、家の中の暗い場所に殺虫剤をまいたり、 蚊取り線香を使う等の蚊に刺されないような注意が大切です。
耳の圧力障害Vol.03
2009年01月10日
毎日、毎日暑い日が続き、海に行く機会も増え、世界遺産のグレートバリアリーフで体験ダイビングにチャレンジしたいと考えている方も多いと思います。
ダイビングの途中で耳抜きが上手くいかなかったり、素潜りで海に深く潜ったりした際に耳に痛みを感じたことはありませんか?
または“潜る”に限らず、飛行機が離着陸する際に耳に痛みを感じた経験の有る方も少なくないと思います。
痛みをこらえて無理をして潜ったり、浮上すると、痛みだけではなく、耳からの出血や耳の中に水が入った感じがしたり、周りの音が聞こえにくいことがあります。こういった症状は耳の圧力障害(Ear Barotrauma)と呼ばれています
【症状】
・耳の痛み / 耳からの出血 ・ダイビング後・飛行機から降りた後、耳に水が入っているような感じがする・耳が聞こえにくい、こもった感じがする ・周りの音が響いたように聞こえる
【どうして耳抜きが必要なの?】
正常な状態では、内耳と鼻の奥を結ぶ耳管によって、鼻から入ってくる外界の空気が自動的に内耳に送られ、鼓膜の内側と外側との空気圧が等しくなるように保たれています。
ですが、飛行機の離着陸時や潜水、ダイビングなどで外界の気圧が急に変化した場合には故意的に耳管に空気を送り、内耳の内圧が外界と等しくなるように調節をする必要があります。
これが耳抜きです。
そうする事により、痛みや違和感を緩和することができるのです。
【どうして耳の圧力障害になるの?】
外界の気圧が急に変化した場合に、上手く耳抜きが出来なかったり、風邪やアレルギー症状により耳管が部分的に又は完全に塞がってしまうと、内耳への空気の出入りが出来なくなってしまいます。
その結果、外界の気圧によって鼓膜が内側に押し込まれ、その周りが炎症を起こします。
ひどい場合には鼓膜に穴が開き(破れる)出血したり、鼓膜が傷ついたことにより、鼓膜の内側にリンパ液が浸出して溜まることがあります。
耳に水が入った、こもったような感覚があるのはこのためなのです。
決して、外部から入った水が耳に溜まっているのではないのです。
【治療法】
空気圧の急激な変化によって耳づまりや痛みを感じたときには、空気圧の差を解消して不快感を取り除く方法がいくつかあります。
・あごをよく動かす ・ガムを噛む ・つばを飲み込む・頭を高くして寝る
更に、損傷の度合いによっては点耳薬や飲み薬等、医師からの処方薬が必要です。
【予防法】
特にスキューバダイビングに行かれる方は以下の事を守りましょう。
・風邪をひいている時には耳抜きが困難なため、ダイビングをしない。
(ダイビングメディカル上では基本的に風邪をひいているとダイビングはできません)
・潜行中に耳に痛み、違和感を感じたらゆっくり時間をかけて潜るか、無理をせずダイビングをあきらめる。
飛行機で旅行をする前に、風邪ぎみの人や鼻アレルギーの人は、予め医師の診察を受け、お薬を処方してもらい、鼻の通りを良くしておきましょう。
耳の圧力障害にかかると、程度によっては治療に5日から2週間程かかることがあり、完治するまではスキューバダイビングやスカイダイビングなどの気圧の掛かるスポーツや、飛行機で旅行をすることを制限されることもあります。
また、耳の中が炎症を起こしている時はバクテリアが侵入しやすく、外耳炎や中耳炎などの二次感染を起こす可能性が高くなります。
耳の痛みが悪化したり、耳垂れが出るなどの症状があれば、再度医師の診察を受けましょう。
虫刺され Vol.02
2008年11月10日
雨季に向かって雨が多くなり、空気もじめじめとして来ました。
そんな季節に繁殖し出すのが、蚊やサンドフライ、ダニなどのいや~な虫です。
今回は、そんなケアンズに住む私達と切っても切れない間柄、虫刺されについて、一般的な症状、予防方法についてご紹介いたします。
【サンドフライ】
ビーチや熱帯雨林、マングローブに生息し、朝や夕方に活発になる黒い点のような小さな虫です。
とても小さいため、体にとまっても気付かないことが多いです。
主に服の外に出ている部分が刺されます。
サンドフライにさされると・・・時間が経ってから(半日から1日)ものすごいかゆみがある、
一度かゆみが治まっても、2~3週間かゆいことがある
【蚊】
毎年2月から3月の間、北部、中部クイーンズランド州、熱帯気候特有の蚊を媒介としたウイルスによるデング熱、ロスリバー熱と呼ばれる病気が広がる恐れがあります。
ウイルスに感染した蚊に直接刺されるか、ウイルスに感染した人を刺した蚊に刺されて感染します。
人から人へ直接感染することはありません。
◆予防方法
《蚊やサンドフライなど、野外に浮遊している虫》
常に虫除けをつける、極力肌を隠す、長袖、長ズボンを着用する、朝方、夕方の虫が活発になる時間帯に虫が出やすい芝生、水の周辺、熱帯雨林などに行かない。
野外のバーベキューや芝生の上でのピクニック、熱帯雨林のツアーなどに行く時は、体に虫がとまる隙を作らないよう、しっかりガードをしてください!
【ダニ】
内股、尻、背中、お腹など服に隠れている部分、肌の柔らかい部分が刺されている、何ヶ所かにまとまって刺され、とてもかゆみがある、周りに同じような症状を持った人がいる
【疥癬虫(かいせんちゅう)】
一般的に、手、足の指のまたから進入し、徐々に上方へ広がりその跡が道のようになっている、とてもかゆみがある、周りに同じような症状を持った人がいる
【ノミ】
家にペットがいる、くるぶしの上辺りから足の甲にかけて集中して刺されている(ノミが地面からジャンプできる高さがくるぶしの上ぐらいまで)
◆予防方法
《ダニ、疥癬虫など、屋内やベットで刺される虫》
部屋の隅々まで小まめに、念入りに掃除機をかける、部屋の窓とドアを開け、ファンを回し風通しを良くする、寝具、洋服などをユーカリオイルを垂らしたたらいで熱湯消毒した後、乾燥機の温度を高く設定して乾かすか、日光のもとで乾かす、マットレスを外に出し、日光消毒をしてその上から殺虫剤や虫除けを散布する。
上記の虫は徹底的に駆除しないと虫刺されの症状を繰り返す原因となるので気合を入れて戦いましょう!
人それぞれの体質によって同じ様に刺されても、ひどく反応する方とそうでない方がいます。
刺された患部からどの虫に刺されたかを判断することはとても難しく、判断がつきかねることが多いです。
しかしながら、虫刺さされの治療法してはどれも同じように治療をします。
また、かゆみの応急処置として、氷で刺された患部を冷やすと楽になります。
刺された後、患部が痛くなったり、熱を持って腫れたりする場合は患部からばい菌が入って二次感染を起こしている可能性があるので、医師の診察を受けましょう。
みんなで知ろう、胃腸炎のいろいろ Vol.01
2008年07月10日
夜中に突然の激しい胃痛、下痢、嘔吐などで悩まされたことはありませんか?
夕食で食べたものの消化が終わり、胃腸が休まる夜間に上記のような胃腸炎の症状は起こりやすいものです。
また、ケアンズでは年中暖かい気候のため、食あたり、食中毒の危険性が高く、それらは胃腸炎を引き起こす主な原因となっています。
胃腸炎には、魚介類、肉類に潜むバクテリアが原因で引き起こされる、細菌性胃腸炎と、多数のウイルスがもとで引き起こされる、ウイルス性胃腸炎ががあり、どちらも感染力が非常に強いです。
細菌性胃腸炎は、調理の仕方や、調理した人の衛生状態、または調理後の食物の保存状態によって、どんな食品でも感染源になり得ます。
ウイルス性胃腸炎は空気中のウイルス、または感染者の排泄物から感染します。
食事の前、トイレ使用後や感染者と接触後は手をきれいに洗うようにします。
【主な初期症状】
■吐き気
■嘔吐
■胃痛/腹痛(時に激しい)
■下痢
■発熱
【脱水症状に注意】
下痢、嘔吐が続くと、体の水分が失われ、口の中、唇が乾く、手足がしびれるなどの脱水症状を起こしやすくなります。
ひどくなると、とても危険です。できる限り水分を補います。
食事を無理に摂ることはありません。
【治療】
■摂って良い食事、飲み物
細菌、ウイルスを体内に長く停滞させないための消化しやすい食べ物
おかゆ、素うどん、薄い味噌汁、スープ、シリアル、オートミール、白いパン(その他穀物が混ざっていないもの)
吐き気・嘔吐がある場合は、半分水で薄めたスポーツドリンクや、酸味の少ない炭酸飲料などをこまめに少量ずつ飲みます。一度に沢山飲むと逆にもどしてしまいます。一旦嘔吐が治まれば、水分を補給しながら、徐々にスープ、ゼリー、軽い食事というように普段の食事に戻していきます。胃壁があれているため、その後の数日間も下記の摂ってはいけない食事、飲み物を避けます。
■摂ってはいけない食事、飲み物
酸味のあるもの
柑橘系飲物、トマト、お酢の効いた食事など
脂肪の多く含まれるもの
揚げ物、ハンバーガー、ドーナツ、ステーキ、カレーなど
香辛料、刺激の強いもの
各種スパイス、唐辛子の入ったソースなど
カフェインの強いもの、タバコ、アルコール飲料
上記の治療法以外に、吐き気がある場合、それをを抑えるために吐き気止めを処方します。
嘔吐してしまう場合は、注射にて処方します。
下痢止めは、日常生活に支障がでる(旅行中や、仕事中にトイレに行かれないなど)場合に処方します。
下痢止めは細菌やウイルスを体内に停滞させ、症状を長引かせるので、できるだけ止めずに排泄するようにします。
もし症状が2~3日以上継続したり、とにかく嘔吐が治まらない場合は、すぐに医師の診察を受けて下さい。
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