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2003年11-12月号・その37 好き嫌い

 我が家では毎晩のように食卓がくらーくなるひとときがあった。子どもが「これ食べられない」という時だ。
 ほとんど毎晩夕食を作るのはうちのダンナで、この一言が出ると彼は、これなら食べると思ったのに…とがっかりし、私はワガママ言わないで食べなさい!と怒る。

「あのねー他の国には、お腹がすいて苦しい思いをしている子どもがたくさんいるんだよ。感謝の気持ちを持って食べたらどう?」
「でも、これを食べると吐きそうになるの…」

 ここまで言われるともうガックリ。この次の展開は決まって、私が「食べなさい!」「無理」「もう知らない。大きくなれないよ」と怒り、ダンナも「料理役から降板する」と言い、子どもが泣くというパターン。
 しつけの本に出ている、脅し、押しつけ、投げやりという、「絶対にしてはいけません」という怒り方を見事に踏襲しているのであった。

Title "Mama" by Cionne Murphy

 ビタミンを摂らないでどうやって生きてるんだろう。(ちなみに我が子たちは背も割と大きく、生まれてこのかた大した病気も怪我もしていない)。原始人なみの機能だ。結婚するまでほとんど肉を食べなかった私には考えられない。
 下の子はちゃっかりしていて、上の子が怒られると、「ニンジン美味しいよね〜!」などと言って嫌みたらしく食べ、よけいに騒ぎが大きくなる。少なくとも食べてくれるからいいんだけど…。

 あるオージーママも同じことを言っていた。彼女の家でも男の子はチップス(フライドポテト)と麺しか食べない。「なんで、毎晩家族みんなでイヤな気分にならなきゃいけないの。最初は食べさせようと努力したけど、もう諦めたわ」
 その代わり、彼女は子ども用のビタミン・サプリメントを飲ませることにしたのだそうだ。
 確かに代わりになるものをあげればいいという考え方はアリだ。私たちも、せめてものという気持ちでフルーツを食べさせたりしている。

 もっと料理や食べさせ方を工夫すればいいのにというご意見もあろう。でも、好き嫌いのある子どもが実際にいないと、この手強さはわからないと思う。
 私たちだって、夕食前におやつをあげなかったり、野菜を原型をとどめないくらいに砕いてハンバーグやミートソースに入れたり、面倒くさくても、一緒に材料を切ったり混ぜて料理したり、食器を好きなキャラクターにしたり、野菜を種まきから一緒にして収穫させたり、ニワトリをヒヨコから飼って卵を取りに行かせたり…色々努力したけど、だめ。

 そんな日々が長いこと続いたが、育ち盛りなのかなんなのか、最近は息子の喰わず嫌いが少なくなってきた。「全部食べたよ」と誇らしく言えることも。何がきっかけなのか??謎だ。でも良かった…。
 次は娘の番でないことをただただ願う私です。

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