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2005年1-2月号・その44 おバレエ

 娘が生まれたらバレエを習わせたい、という夢があった私。バレエをしている人は、ちょっとした動きがエレガントで姿勢もすてきだから。自分にないものを子供に求める愚かな親の性とは知りつつ…。

 幸い、バレエが何なのかはよくわかんないけど、ふわふわしたスカートをはきたい、という娘の意向とこちらの意向が一致し、見学に行くことに。

 それまで、息子のラグビーや水泳や空手などの活動に慣れていた私にとって、スタジオのスイートな雰囲気は初体験。

 ひらひらのレッスン服を着て、髪の毛も可愛らしくおリボンなどでまとめた女の子たち。この日は、ちょっとしたステップを習ったり、楽しく体を動かしている、という印象だった。

 早速、コスチュームの店にも足を運んでみたが、「高っ!」。こんなの布を買ってきたら簡単に作れそうじゃん(でも私は裁縫ができない)。で、おもちゃのバレエシューズだけ買った。10ドルでやる気が出ればしめたものなのだ。

 私のこういう性格を知っている日本の母から翌週には可愛い手製のチュチュが送られてきた…。

▲同じ教室に通うゆりあちゃんとにいなちゃんと。クリスマスの妖精役でした。

 念願のふわふわスカートも手に入り、さあ晴れてレッスンだ! ところが初日から、クリスマスコンサートに向けての集中練習になってしまったのである。一番年少のクラスなので複雑な動きはないのだけれど、週を追うごとに先生のテンションが上がり、生徒の気が散ると親の見学も禁止に…。なんか、ただ事ではないな、とこのときから予感はあった。

 娘は何度目かのレッスンの時、止めると大泣き。先生の言うバレエ用語がわからないのと、先生が怖いのが原因なようだった。

 が、「動きだけ真似すれば大丈夫」と慰め、何とか普通に戻っていった。お友達がクラスにいたのも大きな支えに。でも本当は私がチュチュを日本に返しちゃうよ、と脅したのが効いたのだ。我ながらヒドい親だ。

 その後は土曜、日曜、と集中レッスン。舞台の週はなんと水、木曜日も練習で、金曜は衣装をつけたリハーサル。はっきりいって親も子もクタクタである。本気度100%だ。尤もリハーサルさえチケットを買った観客が入るのだから、先生の本気度が上がるのも無理はない。

 前日は、仕事の後に舞台用のファンデーションや指定色のアイシャドウなどを買いに走った。「髪型は「クラシックバン」って書いてあるけど、それは何?」ダンナに聞くと、「ホットクロスバン(イースターのパン)なら知ってる」。…こういう時、男親は使えない。そういえば、リハーサルの日、横にいた男性が娘さんの白いシューズをピンクのクレヨンで塗っていた!「ピンクでないとダメなんだって?」と。うーん、厳しい。

 周りのお母さんたちに助けてもらったお陰で、なんとか当日を迎える。時間をかけてメイクしてもらったのだが、会場でポテトチップを食べ始め、「口紅が落ちちゃうよ」と言ったら驚いて泣いてマスカラも落ちた…。

 でも笑顔で舞台に登場した娘を見て、それまでの苦労が吹き飛んだ。親ってこんなものです。

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