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趣味のお料理を通して、地元の人と交流し、オーストラリア家庭料理の深さに驚いた“のりさん”こと豊永典子さん。家庭の味とともにオーストラリア人のライフスタイルを紹介してもらいます。


その2 アンドリュー牧師のミートローフ

 さて、今回は牧師さんに習った料理を紹介します。
 皆さんには、クリスチャンの友達がいますか?私は幼い頃から日曜日には必ず教会に通う、というバリバリの(!)クリスチャンです。いや、でした(?)…主人がクリスチャンではないので、結婚後は教会から遠ざかっていました。
 日本でクリスチャンというと、真面目で堅い、というイメージがありますよね?主人はクリスチャンの知り合いは私が初めてだったので、目の前を蚊が飛んでいても平気な顔をしている私を見て、クリスチャンは蚊も殺さないのか、と思ったそうです(そんなバカな!そのときは、たまたま他のことを考えていて、気が付かなかっただけですヨ)。
 ところが、こちらではその「堅い」というイメージがガラガラと……。

 初めてPastor Andrew(こちらでは、牧師に対しての敬称としてこう言います)に、学校の教会で会った時の印象は強烈でした。
 ドキドキしながら学校の礼拝に出てみると、前の方にはギター片手にニコニコ笑いながら「Good Morning ! How's going ?」と大きな声で元気に歌っているおじさんがいます。その横には、いかにも真面目そうで堅そうな人が立っています。
 私は当然、堅そうな方が牧師で、歌っている人はお説教の前座(失礼!)か何かかな?と思っていました。ところが私の予想とは大きく違い、堅そうな人は学校の校長先生で、ギターを演奏しながら歌っている、いかにも気さくなオージーという雰囲気の彼が、牧師だったのです。

 もちろん教会行事によっては、十字架のついた牧師服を着て、とても荘厳な雰囲気を持つ牧師先生に変身します。普段は人好きな笑顔で誰にでも気軽に声をかけ、私にも「Noriko、あの威勢の良い田中真紀子外務大臣は、どう思う?」とか「遠藤周作の◯◯は読んだことある?」というような話題を出し、場を盛り上げてくれます。
 いつも色々なことに興味を持ち、相手に合わせた質問で話題を広げてくれる所は、さすが気配り上手な牧師!と感心してしまいます。奥さんが中国系で、アジアの事にも普段から感心があるのかもしれません。
 またある時、牧師の家族が私の自宅に遊びに来ました。子供達が皆で卓球を楽しんでいたのですが、「ボクも入れて!」とアンドリュー。そして彼は小学生相手に真剣にプレイし、なんと全勝してしまったのです。お陰で子供達からは「He is childish !(子供っぽい)」「牧師とは思えない!全然手加減しないんだよ〜」との声が…。
 何事にも一生懸命師で全力投球の人なのです。とにかく人間くさい、人間味のある牧師先生なのです。

 学生の時、ホームステイ先の家族に連れて行ってもらったアメリカの教会で、あるショックを受けました。「人は神のもとに平等」とうたっていながら、同じクリスチャンなのに、人種によって違う教会に通っているのです。
 でも、ここオーストラリアの教会では、いろいろな人種、肌の色、出身国の違いを超えて、人々がうまく混ざり合っていて、とても温かい雰囲気を感じます。
 もちろん教会にも色々な流派があって、例えばオーストラリア人の多くが属しているアングリカンの礼拝は、もっと真面目で堅いものです。たまたま私が出席しているルーテレン教会がとてもカジュアルな親しみやすい雰囲気なのかも知れません。
 ともかくも、英語がつたない私にもとても分かりやすいキリストの言葉、まるでポップスのような賛美歌、大きな笑い声が出る子供達の劇、それは私が幼い頃から親しんできた日本の教会とは全く異なるものでした。そして、その楽しい雰囲気を作りだしている元気の素は、アンドリュー牧師だと思うのです。

 で、料理の話。ある日アンドリューの家に招かれました。
「Hello, noriko ! Come in.」と彼の声がします。それも台所から。この日は彼がミートローフとダンプリングの作り方を教えてくれました。「神のもとに平等」な夫婦は、ちゃんと夫が食事当番の日もあるのです。
 ミートローフは日本でも一般的ですが、さすが彼のミートローフはダイナミックな男の料理という感じで、我が家の子供達にも大好評でした。そしてデザートのダンプリングはオージーの大好きなゴールデンシロップをたっぷり使った、まさにオーストラリアのデザートの一品です。

■ミートローフ材料
A
・ひき肉…1kg
・パン粉…1/2カップ
・タマネギ…1個(みじん切り)
・にんじん…1本(せん切り)
・ウスターソース…大さじ1
・トマトスープ…1/2缶
・玉子…1個
・オレガノ…小さじ1
・塩…小さじ1
・こしょう…少々

・ゆで卵(4個)、ベーコン(6〜8枚)

B
・じゃがいも…5〜6個
・ミルク…1/3カップ
・バター…大さじ1
・塩、こしょう

■作り方

1.

ボールにAの材料を入れ、手でよく粘りが出るまで混ぜ込む。

2.

油を塗ったオーブン板にベーコンを並べる。

3.

2の上に1を置き、パウンド型に形を整える(好みでゆで卵を入れる)。

4.

ベーコンで肉を包み込む。

5.

200℃で1時間焼く。

6.

焼いている間に、Bでマッシュポテトを作る。

7.

オーブンから肉を取り出し、6で表面を包む。粉チーズをふりかける。

8.

オーブンでさらに15〜20分焼く。

■ゴールデンシロップダンプリング
Golden Syrap Dumplings 材料

・小麦粉…1カップ
・バター…大さじ2
・ミルク…1/3カップ

A
・水…1と1/3カップ
・ゴールデンシロップ…1/3カップ
・ブラウンシュガー…1/3カップ
・レモン汁…1/2個
・バター…大さじ1

■作り方

1.

ボールにふるった小麦粉を入れる。

2.

バターを入れ、手でポロポロの状態にする。

3.

ミルクを入れ、粘りのある生地にする。

4.

大さじ1くらいのだんごを作る。

5.

鍋にAの材料を入れ、沸騰したらだんごを入れる。温度を下げ、中に火が通るまで15分くらい煮る。



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