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趣味のお料理を通して、地元の人と交流し、オーストラリア家庭料理の深さに驚いた“のりさん”こと豊永典子さん。家庭の味とともにオーストラリア人のライフスタイルを紹介してもらいます。


その8 お泊まり会(パイクレット Pikelets)

▲長男のSleep over

▲長女のSleep over

▲子供たちが作ってくれたパイクレットとスコーン

 「お泊まり会」という言葉を聞くと、何かなつかしいような、ほろ苦いような気分になりませんか。日本で育った私にとっての「お泊まり会」は、教会の日曜学校のキャンプであり小学校での林間学校でした。私の子供達も事情はそう変わりません。「お泊まり会」は幼稚園での宿泊体験か、せいぜい小学校6年生になってからの修学旅行くらいでしょう。

 こちらの子供達は「お泊まり会(Sleep over)」を日常行事にしていることを知って驚きました。誕生日会の後は皆でそのままお泊まり、学期が終わる終業式の後も皆で騒いでお泊まり、休み中に友達の家を泊まり歩くのは普通なこと。お泊まり会が決まったら、「Bring your pillow !(枕を持ってきて)」というのが誘いの言葉。子供達が初めてSleep overに誘われたときにはかなり不安でしたが、元気に楽しそうに帰ってきた姿を見て、むしろうらやましいとさえ感じました。

 ワンパク盛り(?)の子供達を数人、多いときには10人近くも預かるので、親は大変!と自分の身に置き換えて心配したりもしましたが、さすがにケアンズ。ベッドパットを床にそのまま置いて皆雑魚寝、時には庭にテントを張って子供達を泊まらせても、良い思い出になりこそすれ、風邪をひくこともありません。家庭によっては教育上良くない場合もあるから気をつけないと、と批判的な親もあるようですが、寝食を共にすると言うのは、素晴らしい経験だと思います。

 何度か子供達を預かってもらった後、私達の家でもSleep overを企画しました。浮かれている子供達を後目に、親の苦労は大変なものです。招待状の作成、電話で出欠の問い合わせ、お迎えの時間、持ち物の確認など。お迎えの時には、お母様達にもお菓子を出して少しおしゃべりをするのでその準備も。でもこうやってお友達も増えていきます。招待状も、家庭によって様々で、子供達に見せるビデオのタイトルまで書いてあることもあり、ウチでもこうした良いところは早速まねさせていただきました。

 長男のお泊まり会は大騒ぎになるだろう、とわかっていましたので、隣家にあらかじめことわっておきました。そして、ちゃんと(!)問題を起こしてくれました。庭で遊んでいる間に、と夕食の準備をしていると、玄関でノックの音が、、、。昨日ご挨拶しておいた隣人でした。
「お宅の子供達、うちの屋根に向かって何か投げているみたいでスゴイ音なの。注意してくれない?」と。あわてて庭に出ると、なんとボールの代わりに庭のマンダリン(ミカン)を使ってクリケットをしているではありませんか。子供達がバットを振る度に「バシャー」とマンダリンが飛び散り、勢いよくあがったボール(ミカン)はお隣の家の屋根を直撃していました。子供達はミカンの汁でビショビショです。も〜、まったく!何をしているんだか。
 でもこれだけでは済みません。今度は屋根の方から奇妙な音がします。慌ててまた外に出ると、屋根にあがってしまったフリスビーを取るために、子供達が屋根をヒョコヒョコ歩いているのです。もう冷や汗のかき通し。お迎えの時はお母さん達から「Did you survive ?」と言われてしまいました。

▲パイクレット

▲スコーン

 長女のお泊まり会では、夜中までパーティが続きました。チーム分けをしてダンスのコンテストをやったり、即興劇を作ったり。トシを忘れて一緒になって楽しんだ私にも良い思い出となりました。

 男の子達はまだ皆幼く、夕食朝食ともに準備はすべてが親の役目でしたが、女の子達はもう皆おしゃまさんばかりで、朝起きると「朝食は私達が作りまーす!」と。それも、「私はスコーンを作る!」、「じゃあ私はパイクレットを!」と、どんどん役割が決まっていきます。
 皆簡単に作れるものばかりでしたが、とても美味しく、食べ方にも特徴がありました。パイクレット、スコーン共にジャムと生クリームを付けて頂きますが、これが昔ながらのオージースタイル。パイクレットには、ホットケーキの様に蜂蜜やシロップをかける現代風の味つけも。子供達はレモンジュースをかけて、上に砂糖をふるレモン味パイクレットがお気に入りでした。こうしてお泊まり会の朝、子供たちを通して、オージーの朝食を垣間見ることが出来ました。
 今回のレシピはこのとき習った、誰にでも簡単に作れるパイクレットです。

■パイクレットの 材料
卵…1個
・砂糖…大さじ3
・牛乳…1/2カップ
・小麦粉(Self-raising)…1カップ
・溶かしバター…小さじ2

■作り方

1.

ボールに材料を入れ、泡だて器でよく混ぜる

2.

日本のホットケーキの要領で、フライパンで焼き上げる(直径10cm位の小さなサイズが一般的)

スコーンの 材料
小麦粉(Self-raising)…2カップ
・塩…小さじ1/4
・バター…60g(大さじ2)
・牛乳…1カップ

■作り方

1.

小麦粉、塩を合わせて、ボールにふるい入れる

2.

バターを1に加え、指でぽろぽろの状態になるまで、こね合わせる

3.

牛乳を注ぎ、なめらかな生地にして、ひと固まりにする

4.

小麦粉をふるったまな板に生地を置き、生地をたたきつけるようにして、こねる

5.

生地を2cmの厚さに整え、直径5cmの型で抜く(型がなければ、コップのふちを使ってもOK)

6.

オーブン(180℃)で12分〜15分焼き上げる



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