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趣味のお料理を通して、地元の人と交流し、オーストラリア家庭料理の深さに驚いた“のりさん”こと豊永典子さん。家庭の味とともにオーストラリア人のライフスタイルを紹介してもらいます。 |
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その18 教育家 お料理:マンゴー・チャツネ
オーストラリアの学校に子供を通学させるようになって感じたことのひとつに、先生達がとても気さくで話しやすい、ということがあります。私も日本の高校で数年間教師をしていましたが、同僚や先輩の教師が「気さく」だと感じたことはありませんでした。
職員室で同僚を呼ぶときには、日本では「○○先生」、こちらではファーストネームの呼び捨てです。生徒達はさすがに「Sir」をつけたり、「Mr.○○」「Ms.○○」と呼びますが、その関係は日本よりずっとフランクです。
「先生」と呼ばれる職業は、本来は尊敬されるべきものであり、当然そのように振る舞うべきなのに、日本では、逆にチヤホヤされて自分が偉いと勘違いし「威張る」ようになってしまうのかもしれません。
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▲地元紙を飾った受賞写真
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昨年、足かけ40年の教師生活を引退したエズマ(Esma)、マル(mal)夫妻は、その功績を認められ、地元紙ケアンズ・ポストに大きな引退記事が掲載されました。
引退後も熱心なクリスチャンとして教会活動を牽引し、また時には家庭教師として指導者の立場を続けている二人ですが、威張ったところは微塵もありません。とても気さくでいつも笑顔いっぱい、魅力的な夫婦です。
現役時代はアデレード、メルボルン、ブリスベンなどで教鞭をとった二人ですが、最後はケアンズで教師生活にピリオドを打ちました。今でも町で教え子たちに出会うことがあります。
「先生、あの頃はよく理解できなかった先生の言葉も、今ではよく分かるようになったよ。本当にありがとう。」そんな言葉をかけられた時が、何より嬉しいそうです。
二人が出会ったのはメルボルンの高校に勤めていたとき。マルは科学、エズマはドイツ語と社会を教えていました。付き合いはじめてほどなく、二人の関係は生徒たちに知られてしまいます。
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▲二人の出会った高校の前で
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ある日、マルは買ったばかりのかっこいいスポーツカーを学校に乗りつけエズマの前に止めました。レディーファーストを気取って助手席のドアを開け、彼女を車内に招いたまではよかったのですが、その際、緊張していたマルは、自分のブリーフケースを車の前に置いたことを忘れてしまいました。
車はそのままスタート。カバンは哀れにも、すごい音を立てて踏み潰され、お気に入りのパイプ、学校の書類はペチャンコ。二人を陰からのぞいていた生徒たちは、その様子を見て大笑いだったとのことです。
結婚が決まったあと開かれた婚約パーティには、生徒たちがたくさんのケーキやデザートを用意して二人を祝福してくれました。
結婚後は三人の子供にも恵まれました。仕事先の学校は何度か変わりましたが、いつも二人は一緒。そして、子供たちも同じ学校に通ったそうです。
オーストラリアでは、教師の子供たちが同じ学校に通うことは決して珍しくありません。特に二人の職場であるキリスト教系の学校ではその傾向が強いようです。
「(子供が自分の職場に通学すると)学校への送迎も楽。夏休みも同時に取れるので、キャンプを楽しんだり長期の家族旅行にも出かけられる。何でも家族一緒に経験することが出来たから、とても良かったよ」と。
何しろ、娘が修学旅行でドイツに行くことになったとき、「私達も海外旅行をしたことがないのに、娘だけズルイ」と、下の子を友達に預けて一緒に参加してしまった、とのことなので公私混同の極みといえるかも。
もちろん、学校では特別扱いすることのないよう特に注意して、子供たちにも必ず「Mr.Beck」とか「Sir」と呼ばせていたそうです。
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▲仲の良い家族
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良いことばかりではありません。共働きですから、休み以外は忙しくてゆっくりと子供とおしゃべりをしたりすることもありませんでした。
「今になって考えると、家でも学校でも私たちは子供たちの先生だったので、何に対してもイニシアチブを取ってしまい、自主性を育てることが出来なかったかもしれない、と反省している」とも。
でも、よくできた子供たちは「そんことない。うちは家族でいろいろなことが出来たし十分幸せだったわ」と言ってくれるそうです。
教育問題に関することになると、話題は尽きることがありません。その中で、今と昔の父兄の違い、都会と田舎の生徒の違いは、とても興味深いものでした。
昔、ある生徒があまりに勉強しないので、マルが、授業中その生徒の頭を机に押してつけて怒ったことがありました。するとその生徒は「家に帰ったら、お父さんにお前がしたことを言いつけてやる!」と叫んだそうです。マルも「マズイな」と思いましたが、その後親に怒鳴り込まれることはありませんでした。
しばらくして、彼の父親を学校で見かけた時、「お子さんは何か私のことを言っていましたか?」と尋ねると、「聞きましたヨ。先生に対してそんなひどいことを言うなんてとんでもないヤツだから、お仕置きのためにおしりをベルトでたたいてやりました」と答えたそうです。
「今の親だったら、ベルトでたたかれるのは私の方だよ。こういうのが昔と今の1番の大きな違いかな」と笑って話してくれました。
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▲授業風景
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田舎と都会では、子供たちの授業に対する姿勢が違うようです。都会の子ども達は、親の期待や周りの環境のためか、勉強に対する意欲が田舎の子ども達よりはずっと強い、と。しかし生徒の教師に対する尊敬の念は欠けると思う。
というのは、親が学校の批判ばかりしているから。けっして学校に協力的なわけではないのに、要求ばかりが高い。
実際、生徒から「お前達に、給料を払っているのだから、もっと授業を面白くしろ。もっと○○を教えるべき」と言われたこともあったそうです。
一方、田舎の子ども達は、親の職業も限られ、将来の職業の選択肢が少ないので、勉強に対する真剣さが見られない。しかし、都会と違って親はのんびりしているので、学校へも協力的。その結果生徒たちの教師に対する態度も比較良いそうです。
ケアンズの生徒たちは、どちらかというと田舎的要素が強い。でも、最近は都会のイヤなところも出てきた、ということでした。
リタイア後の二人の生活を見ていると、とてもうらやましく思います。教会の礼拝では、エズマがオルガンで賛美歌を演奏し、そのそばではいつもマルが寄り添って楽譜をめくっています。
老人ホームに慰問に出かけ、子ども達の勉強をボランティアで見てあげる。古巣の学校にも顔を出して、父兄と一緒に、やはりボランティアで働く。もちろん、健康のためのウォーキング、趣味のバードウォッチングもいつも一緒。
我が家に遊びに来るときには、「2頭の大きな鯨が、お宅のプールにお邪魔してもいい?」とジョークたっぷりの電話があります。
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▲マンゴチャツネの出来上がり
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ずっと一緒に働き生きてきた二人は、まさにソウルメイト (soul mate) そのものでしょう。
「エズマは若い頃すごく美人だったんだよ。見てこの変りよう!」とマルが写真を見せてくれましたが、「本当だ〜!」と思ったものの、口には出せずに困ってしまいました。
年をとって外見が変わっても、夫婦の絆がむしろ強くなっている二人を見ていると、私たち夫婦の良い目標だと思うのです。
今回はこの時期安く手に入るマンゴーを使った、マンゴー・チャツネを紹介します。サラダ、お肉、サンドイッチなど、いろいろな料理につけて食べると、酸味と甘味のコクのある味わいを引き出せます。
| マンゴー・チャツネ (mango chutney) |
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■ 材料
A
・砂糖…1カップ
・ビネガー…750cc
・玉ねぎ…2こ
・りんご…2こ
・トマト…2こ
・チリ(小)…3こ
・レーズン…120g
・ガーリック…1片
・マンゴ…4〜5こ
・しょうが…1/2片
B
・カイエンペッパー…少々
・塩…小さじ1弱
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■作り方
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1.
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ビネガー半量を沸騰させ砂糖を溶かしシロップを作る
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2.
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細かく切ったAを1に入れ、Bを入れ、残りのビネガーを加える
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3.
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沸騰させ、1時間くらい弱火で煮る
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3.
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びんに3を詰め、冷蔵庫で保存する
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