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趣味のお料理を通して、地元の人と交流し、オーストラリア家庭料理の深さに驚いた“のりさん”こと豊永典子さん。家庭の味とともにオーストラリア人のライフスタイルを紹介してもらいます。 |
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その21 ホームスクール お料理:ロッキー・ロード - Rocky Road
映画「サウンド・オブ・ミュージック」でジュリー・アンドリュースの演じたマリア先生は、トラップ一家の家庭教師でした。家庭教師と言っても、学校の勉強を補助するための教師ではありません。トラップ一家にとっては、家が学校でした。つまり子供達は学校に通うことなく、家の中で住み込みのマリア先生から教育を受けていたのです。これが「ホームスクール」です。
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▲パソコンを使って勉強中
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オーストラリアでは、以前から「ホームスクール」が一般化しています。もともとはキャトル・ステーションのように町から遠く離れたところに住む子供達が、ラジオやインターネットを使って授業を受けることができるように、と作られた教育制度ですが、もちろん学校がある町に住む子供達もこの制度を利用することができます。
Year 11 (高校2年)のTemeka (ティミーカ)は、Year 10 の途中で学校を辞め、現在はホームスクールの制度を使って、学校に通学することなく勉強を続けています。今は通信教育を利用して、高校の課程とOpen Universiity と呼ばれる大学の芸術、写真の科目を受講し、将来の希望であるミニチュア・ビルダーをめざし、充実した毎日を送っています。
高校の通信課程は日本でも珍しくはありませんが、実は彼女のホームスクール歴は小学校時代にさかのぼります。ティミーカが5歳の時、両親の仕事の都合で、生まれ育ったブリスベンから木曜島に引っ越すことになりました。木曜島ではカトリック系の私立学校に通いましたが、地元住民の白人に対する偏見やその他様々な問題があって、学校は楽しいものではありませんでした。
ティミーカのお母さんは、そんな子供達をみて、ホームスクールで教育をしようと思い立ちました。自分が小学校の教師だったこともあり、自ら子供達それぞれに合ったカリキュラムを作り、クィーンズランド教育省の許可を得た上で、弟のジェームス(3歳下)と一緒にホームスクールを始めたのです。
ティミーカが話してくれたその内容は、というと・・・。
例えば、「どうして空は青いの?」と子供達が疑問に思ったことに対しては、図書館や教育ビデオ、あるいはインターネットを使って徹底的に調べました。休暇でブリスベンに戻った時には、科学博物館、美術館、歴史民族博物館などに足しげく通い、自分達の調べたものを、より深め、さらに広げていく努力をしました。
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▲ケアンズショーの優勝作品
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図書館や博物館に通っていろいろな知識を得たときには、帰宅してから両親と一緒にディスカッションし、また家族の前で発表してさらにその知識を深めました。お父さんはコンピューター・エンジニアだったので、何日もかけて、いちから部品を組み立てパソコンを自作したこともありました。
このように家族いっしょに過ごしたホームスクールは、とても楽しい経験でした。その後、ティミーカが中学校に上がる時、一家はケアンズに引っ越すことになり、ホームスクールを卒業して同じくキリスト教系の私立学校に通うことになりました。
少し不安に思っていた成績でしたが、結果が出てみると、クラスのトップ3に入ることができました。「自分達のやって来たことは、決して間違っていなかった」と強い自信につながりました。
最初の2年間は、友達にも恵まれ、何でも話せて信頼できる彼氏(学校の先輩)も出来て、学校生活は楽しいものでした。しかし、2年を過ぎたころから学校というものに対して疑問がわくようになってきました。
ひとつは、友人達との関係。学校の中では、みんなと仲良くしていくために、興味がなくても同じ話題でおしゃべりをしたり、他人の噂話をしなければならないこと。また、クラスのボスを中心に自分達の仲間に入らない子につらくあたったりするクィーンビー(Queen bee)と呼ばれるグループの存在。
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▲家族で楽しんだヨーロッパ旅行(トレビの泉)
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これまで、同年代の友達との接触が少なく、大人の中で生活することが多かったために、こういった同年代の友達の行動がどうしても彼女には子供っぽくみえ、理解が出来なかったようです。
また、学習面でも「ホームスクールのほうが自分にとってより多くのことが学べる」と確信しました。学校では1日中机に座り先生の説明を聞いてノートに写す、ということの繰り返しで、受身の要素が強い。学校にいる時間と家に帰ってからする学校の宿題をあわせると1日あたり9時間が消えてしまい、本当に自分が勉強したいことに時間を費やせない。
こういったことが彼女にとって大きな苛立ちとなりました。自分は自ら調べたり、自分の手を使って製作するのが好きなので、ホームスクールのほうがもっと積極的に学習に取り組める。そう考えて、再びホームスクールの生徒として高校生活を送ることにしたのです。
「学校に行かないで、家で勉強していると、つい遊んじゃいそうだけど?」と聞いてみると、「そうならないために、いろいろ自分に課題を課しているの」と意思の強さを感じさせる力強い答えが返ってきました。
例えば、お料理やケーキ作りが好きな彼女は、ただの趣味に終わらさず、ケアンズショー(年1回開かれる地元の最大のイベント)のケーキコンテストに毎年参加することにしました。
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▲今年出品したアート作品
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何度も何度もレシピを書き直し練習に練習を重ねた2回目の挑戦では、フルーツケーキ部門の優勝に輝き、翌日の地元の新聞にはケーキを抱えて笑顔いっぱいの彼女の写真が掲載されました。また今年からは、フォトアート部門にも参加することにしました。
来年はブリスベンで開かれる祭典に家族で作品を出品するそうです。テーマは「中世の騎士の衣装、道具などを再現する」というもので、かなり綿密な準備が必要です。そのため今は、中世の歴史やファッション、生活習慣まで、様々な角度からその時代のことを勉強しています。
高校生になった彼女は、自分で勉強の仕方を考え自分に課題を出しそれを仕上げていく、という計画性のある自主的な勉強方法をとっています。もちろん、これは皆彼女が考えたもの。
でも、小学生の時のホームスクールの勉強の方法がその基礎になっているのは間違いありません。彼女を教育したご両親の努力が報われていると考えてもよいでしょう。もちろん今も変わらずご両親の大きな支えがあります。
昨年お父さんのロングサービス(同じ職場で長年勤め上げた人対象の長い休暇)を利用して、家族で7ヶ月のヨーロッパ一周旅行に出かけました。現地でキャンピングカーを購入し、そこに寝泊りしながら計16カ国を家族で回りました。
この旅行では、机上の知識だけでなく、実際にその国の気候、風土、そして人々に生(なま)で触れることが出来ました。そして、これまで以上に、その国々に興味を持つことが出来るようになって、それぞれの国の文化、歴史を掘り下げて勉強できました。
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▲ロッキー・ロードの出来上がり
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彼女の話を聞いていると、ホームスクールには一般の学校教育にはない数々の魅力を感じてしまいます。しかし、このホームスクールの利点を引き出すことができたのは、自分の長所と欠点を冷静に分析することができ強い意志をもった彼女だからこそ、とも言えるでしょう。
同年代の人との交流も大切だ、と教会の青年会、ボランティア活動、ミュージックレッスンなどにも通っています。今自分が何をすべきなのか何をしたいのかをはっきりと自分の言葉で語れる彼女は、自信に満ち今の日本の高校生にはなかなか見ることの出来ない輝きを感じます。
さて今回は、お菓子作りの大好きなティミーカに教えてもらったロッキー・ロードをご紹介します。その昔開拓時代にさかのぼり、ごつごつした岩だらけの道をイメージして作られたお菓子だそうです。切り口がきれいなので、プレゼントにも最適です。
| ロッキー・ロード(Rocky Road) |
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■ 材料
A(マシュマロ…125g(半分に切る)/ラズベリーローリー…80g(好みの大きさに切る/刻みナッツ…50g)
・板チョコ…250g(細かく刻む)
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■作り方
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1.
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チョコを湯せんで溶かす
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2.
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Aの材料を1に入れてよく混ぜる
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3.
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オーブンシートを敷いたケーキ型に2を流し込み、平らに整える
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4.
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冷蔵庫で冷やし固めた後、好みの大きさに切り分けて出来上がり
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