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 こんにちは、"Nano"こと豊永典子です。ケアンズに住み始めてから、たくさんの苦労もありましたが、こちらに暮らしている日本人の方々の助けとオージー達のやさしさに支えられて、今ではケアンズ、そしてオージー達が大好きになりました。
 …とはいっても、相変わらず驚きの連続です。こちらで経験したビックリ体験・発見を、友達になったオージー達のコメントも添えて紹介していきたいと思います。

■その72しゃべるために生まれてきた(?)オージー


 最近の日本のテレビには若手芸人があふれているようだ。お笑い番組はもちろんのこと、料理番組、歌番組、そして真面目な情報番組まで、芸人達が司会をしたり出演者に合いの手をいれる。

 製作側が安易に芸人を使いすぎる、という批判もあるようだが、芸人達に番組を任せておけばギャラも安く、何よりある程度のおしゃべりで番組を盛り上げてくれるというのが本音だろう。

 こちらには、そういう芸人は見当たらない。なぜなら、そこらじゅうに老若男女のしゃべりの達人たちがいるからだ。

 "Big Brothers" という超人気番組は、若い男女をひとつ屋根の下で数ヶ月間生活させ、その暮らしぶりを毎日放送し、2週間ごとに視聴者の投票で1人ずつ落伍者を決めていくというもの。最後まで残った人が賞金を手にするのだが、登場する人はすべて一般の中からオーディションで選ばれている。

 全員素人のはずだが、日本の芸人顔負けによくしゃべる。カメラを向けても全く物怖じしない。何万人という人が見ていることを気にせず、泣いたり、笑ったり、喧嘩したり、ありのままの自分を平気で曝け出す。

 とにかくカメラが回っているあいだ中、争うかのように誰かがいつもペラペラしゃべっている。逆にしゃべらなければ、個性がなくつまらない人間として次の週には脱落してしまうのだ。


▲小1でもちゃんと発表できます。

 子供番組も同様。
「おかあさんといっしょ」のような番組で、毎回2人の子供を招き進行役の大人と一緒にお料理したり工作したりするコーナーがあるのだが、何度も思わず噴き出してしまった。

 3〜4歳の子供が番組の途中で「近所の友達のハリーはね・・・」とか「この間お母さんが僕にね・・・」と番組の進行と関係なく話しはじめるのだ。

 進行役が困ってしまい、なんとか子供におしゃべりをやめさせようとするが、子供はおかまいなしに自分の話を続けようとする。日本の決まりきったせりふを言う子供番組ではみられないことだ。

 大人が出演するトーク番組や料理番組にもはっきりと違いがある。
 日本のトーク番組では、コメンテーターやアシスタント、何人かのタレントを招き複数でしゃべることが多い。ひとりで番組を盛り上げるだけのおしゃべりの才能を持つ人が少ないのだろう。そして招かれたゲストも同様で、数人でやり取りすることでやっと番組を盛り上げていく。

 こちらの人は、一般の人でも、タレントでも、とにかくおしゃべりが得意な人が多いので、日本のように多数のコメンテーターを招いたりしたら、収拾がつかなくなるのがおちだ。

 お料理番組も同様。日本では必ずアシスタントがついて、「○○はこうすると良いんですね」とか「○○の場合はどうすれば良いのですか?」などと言いながら、料理の説明を繰り返したり質問したりして番組が進行する。

 ところがこちらでは料理人がひとりですべてやってしまう。アシスタントなど全く必要としない。しかも料理をしながらノンストップでしゃべり続ける。

 先日ある料理番組をみていたら、料理をしながら自分の休暇の話に夢中になり、材料や分量の説明をしないまま、どんどんお鍋に材料を入れていくので、「ちょっと待って、私は材料の分量を知りたいのに!」と思わずテレビに向かって叫んでしまった。

 友達のオージーに憤慨してこの話をすると、「よくあるパターンだから気にもならないわ!」とけろっとした顔で当然のように言われてしまった。

 子供のアイドル発掘番組でも、優勝した子の両親にマイクを向けると、その子との思い出話などを延々話し出し、司会者がさえぎるほどだ。日本だったら「皆様のおかげです。ありがとうございました。」と涙ながらに語るのが精一杯だろう。

「沈黙は金なり」などという発想はこちらの人には通用しない。下手にしゃべってボロを出すよりしゃべらないほうがよっぽど利口に見える、と思うのが日本人。自分の意見を言わないというのは、自分に自信がない、意見がない、すなわち中身のない人と見られてしまう、というのがこちらの考え方。

 日本人の中ではおしゃべり好きで英語も不自由のない大学生の友人が一言。「オーストラリアの大学のゼミで、ボクの話すチャンスはゼロに等しいんだ。ボクが話している最中に数秒でも間があいてしまうと、もう他のオージーの学生がしゃべりだしてるんだから。」

 いずれにしても、こちらの人の目立ちたがりや精神とおしゃべり好きには、驚かされる。それに太刀打ちするには、日本人にとって並大抵のことではないのだ。


Dorota:(晴れて念願の英語教師から日本語教師へ転職)
■コメント:"Right from the beginning Australians start talking and they never stop. In preschool, even at such a young age, the children are trying to talk over the top of each other to be heard. Australians are very opinionated and are taught from a young age to express their opinions. Whereas Japanese people are very shy and never express their opinions loudly. I think this is because they have had no experience in speaking their minds."
(オーストラリア人は生まれついてのおしゃべりだし、おしゃべりを止めることもないでしょうね。本当にちっちゃい、幼稚園の頃から、みんなの中でも、自分こそがおしゃべりしよう、と考えているわけ。オーストラリア人はあまり人の意見を聞くことはないくせに、幼い頃から自分の意見を表現することは教わっているの。日本人は、とってもシャイだし大きな声で自分の意見を言うこともないわよね。きっと自分の心の中を語る、という経験をしたことがないからだと思うのだけど)


Sarah:(裁判官歴7年の記念に3ヶ月の休みを取り大学で勉強するという勉強家)
■コメント:"Education in Australia pushes us to form our own opinions and voice them. It also encourages us to question ideas and knowledge and not just simply accept them. This is especially true when people are talking about a serious matter or trying to find a solution to a problem. You are expected to put forward your opinion in these cases; someone who reserves their opinion is not appreciated."
(オーストラリアの教育では、まず自分の意見をまとめること、そしてそれを口で説明できるようにすることを奨励しているの。他にも、既存の考えや情報に対して常に疑問を持ち、盲目的に従ってはいけない、ということもね。真面目な問題に関して討論したり、問題の解決を図るには、このことは本質的に正しいと思う。こういう場では、自分の主張を明確にすべきだと思う。意見があるのにそれを声に出さないのは、あまり感心しないことだわ)

Arja:(子供達がホームスクーリングを始め忙しい日々を送る)
■コメント:"I think that people need to know when to talk and know when to listen. People who never stop talking can get annoying. Conversations work both ways, listening and talking. So I think students need to learn these skills of knowing when to talk and when to be quiet. We call people who never stop talking `motor mouths` because their mouths never stop running. I think that some kids are given too many opportunities to speak and when they come to school, they have a hard time being quiet and listening to the teacher. Some kids are very bold and speak too freely."
(本当は、いつ話をすべきか、そしていつ話を聞くべきか、をわかっていないといけないと思うわ。おしゃべりばかりする人は、うるさがられているはずよ。会話っていうのは、聞くこと、そして話すことの両方が必要なの。だから学生は、話をすべきときと静かにすべきときを見分けるための訓練を受ける必要があると思うの。しゃべってばかりいる人のことを"モーターマウス"って呼ぶのよ。口が動き続けるわけだからネ。子供たちの中にはおしゃべりすることが普通になってしまって、学校に入学してから静かにしたり先生の話を聴いたりすることが困難な子もいるのよ。ずうずうしくてしゃべりすぎの子もいるわね)


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●これまでの連載●

その1 ポリスに捕まる!
その2 オージーキッズのお弁当はウサギなみ?
その3 これってあり?スプーンが埋もれたゼリー
その4 忘れられたサンダル
その5 あぐらが正しい座り方!?
その6 BBQ天国オーストラリア 〜公園でBBQ〜
その7 便利な優れもの、ビートルーツ・ホルダー
その8 モーニングティーはいかが?
その9 オージーのトイレ事情 〜隣が見えても気にしない?〜
その10 あなたもスター!ドラマ大好き!
その11 見るだけでいい?誕生日ケーキ
その12 交換は当たり前?
その13 うわさは本当だった!ハエ王国
その14 私はだあれ?変身大好き!
その15 異文化を楽しもう!
その16 細かいことは気にしない?でも気にして欲しい!
その17 歌のおじさん、おばさん
その18 もっと自分のすんでいる町に関心を持とう!
その19 信号まで停電!
その20 主婦には天国、BBQでホームパーティ
その21 男は涙を見せてはいけない
その22 小さいときからShow and Tell
その23 日本人にはちょっとストレス!
その24 校長に直談判!私もすっかりオージーママ
その25 学校がディスコ会場!?
その26 芝刈りはこれでおまかせ ride on mower
その27 どこから来るのかその自信
その28 20年後に離婚!
その29 学校で一杯いかが?
その30 新聞は投げる物?
その31 オーストラリアのカフェ文化
その32 自分の意志ははっきりと!
その33 生後3週間でパブデビュー?
その34 プールは車1台分!
その35 あなたも作ってみる?自分の名前のナンバープレート
その36 ヒーローは嫌い?
その37 入試がない!私立学校
その38 スポーツ王国
その39 自分にお金をかけよう
その40 あなたも応募してみる?ケアンズショーのケーキコンテスト
その41 学校は楽しむところ?
その42 謝らないオーストラリア人
その43 図書館でボードゲーム
その44 大人っぽく見せたいオージー vs 子供っぽく見せたい日本人
その45 家々を回って募金活動、ラッフルチケット買いませんか?
その46 外で遊ぶの大好き
その47 慣れてしまえば心地よいハグ(抱擁)
その48 アイドルって?
その49 時にはファショナブルに
その50 マーケット好きなオージー
その51 夏休みは退屈?
その52 川や湖で泳ぐ楽しさ
その53 お母さんがクラス担任
その54 どうしてケーキなのにプディングなの?
その55 頼まなければよかったラッピング
その56 アンバランスな日本人像
その57 ありがとうは、魔法の言葉!
その58 老人だってターミネーターファン
その59 深い話は苦手なオージー
その60 泥棒保険は常識
その61 オーストラリアにおける青少年の非行
その62 弱いチームの強い味方
その63 誕生日プレゼントが馬1頭
その64 オージーに根性、忍耐は通じない?
その65 オーストラリア文化があぶない!
その66 こんなに違う宿題
その67 みんな大好きさプライズ・パーティ
その68 心地よいフェアゴー精神
その69 日本人は写真好き。オージーはフレーム好き。
〜特別編〜リビングインケアンズから本が生まれました。
その70 愛国心を学ぼう
その71 ほめる教育、賛成?反対?



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