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エッセー

ドクターの軍刀と刀袋

ドクター、シリル・スウェインは第二次大戦中、豪州軍軍医としてボルネオにて参戦。その折、捕虜になっていた日本軍将校の傷の手当をしたという。

その男、英語が少ししゃべれた、というから、たぶん学徒出陣兵だ。終戦になり、その将校と別れる時、彼は泣いて別れを惜しみ、彼の軍刀をドクターに送ったという。
ドクターは豪州への復員船の中で、病室の包帯を傷口を縫合する手術針で縫い、刀袋を作った。軍刀は当時の姿のまま、私の手に渡るまで、戦後を眠り続けた。
写真は日本陸軍九八式軍刀。柄頭の刀緒の色で、官位が識別出来る。この刀緒は茶色と青。尉官の持ち物だ。

袋の端の方には、今でも血痕がハッキリと残っている。この尉官、生きていれば80才と少し。あり得る話だ。

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