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ビヨンド心医術:科学の冷酷さ

2012年10月17日

ケアンズでは、科学論文なんぞを知らなくても、より自然と子供はスクスク、ノビノビ育つのでしょうね。

周りの男の子に負けじと、真剣に綱渡りを練習する息子、

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喜んで裸足になって、せっせと木登りをする娘と、それを受け止めてくれる滑らかでやさしい木肌にふれると、そう思います。

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科学というのは本当にすごい。すごいからこそ、厳しい現実を容赦なく映し出します。

こと、物質である肉体に関して言えば、その因果関係、前後関係を相当な確率で言い当てます。

もう少し簡単に言えば、これこれをしたらこういう病気、結果になるよ、ということを言い当てます。

だから、科学論文をたくさん知り、それを実行することができれば、それだけ楽に成長できるし、病気にもなりにくく済みます。

 

科学のうち医学や心理学はすでに子育てにも縄張りを広げています。

ここでもやはり、科学が映し出す現実は冷酷。

目を背けたくもなるし、知らない者の、良かれと思う心や行為を徹底的に否定して打ちのめすほど、科学は強く、現実は厳しい。

そして、常識であれば言いにくいことを、真実の名の下に、平気でほざく。

たとえば、この論文。

 

Science. 2009 Feb 13;323(5916):951-3.

Differences in early gesture explain SES disparities in child vocabulary size at school entry.

Rowe ML, Goldin-Meadow S.

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=323%20951-3

 

サイエンスに掲載されましたから、幸運にもこの結果に触れた多くの研究者は、自分の子供に実践することでしょう。

高学歴、高収入の親ほど、子供との身振りによるコミュニケーションを多くとる傾向があり、それが幼児の言葉の発達と学歴の向上に寄与するという結果を示しています。(興味がありましたらアブストラクトだけでも読んでみてください)

だから、一見、高学歴、高収入の親の子供が、高学歴になるように見えますが、そんなものではないのです。

日本では、良い学校に入るための塾にいくための経済的な格差が学歴の格差を生むなんていうけれども、そんなのではないんです。

子供に対する、日常の接し方、コミュニケーションのとり方、愛情表現、食事の内容、身体の動かし方、文化的な習慣など、知ってか、知らず知らずのうちに行っているかどうかは関係なく、お金を持っているかどうかでもなく、もっと根本のところから違うのです。

本日は朝から、息子とおかあさんといっしょを見ながら、一緒にリンリンダンスとふくろうさんを。

息子とゼスチャーを合わせながら父子で大喜び。

こういうのを実際に体験すると、この論文はやはり真実なのだと感じます。

そして、この論文を知らなければ、一緒に踊ってみようとは思うきっかけが無かったわけです。

 

言葉が発達していないと、現在の日本の社会では、良い学校に入学できないから、教育の機会にも恵まれません。

この論文からわかることは、親の学歴や収入よりも、子供に対する接し方の大切さです。

 

親の背を見て子は育つというけれども、科学はこれが事実であることを証明しているし、最近は、妊娠前や妊娠中の両親(母親だけではなく父親も含まれる)の不摂生が、生まれてくる子供の一生に影響することまでわかっています。

科学は、子供の健やかな成長を願うならば、親は聖者にならなければならないといっているかのようです。

しかし、それならば、親も子供とともに勉強して、成長して、修行して、修養して、そうなればいいじゃないかとも思います。

ある意味でエリート思想だから、問題なのは、自尊心なのか、煩悩なのか、よくわからない変なものが、自分には当てはまらないよなどと囁いて、科学様や、より高い知識性、人間性、精神性を持った人からの言葉を上から目線などといって、現実に楯突こうとする蟲が親の体内にもいます。

精神の力が増してくると、例外的に、この因果の法則を少しづつ外れることができるけれども、この変な蟲を抑えて、科学の結果というか、現実の因果に素直に従うことくらいができるくらいの精神の力が無いと、人間Ver1.xや2.x程度では(もちろん私もですが)、それより高い法則に乗ることは無理だと思います。

科学はモノの力を映すから本当に冷酷。そして、知った者勝ち。知るだけではだめですね。ちゃんとそれを実行しないと。個人的には、たったそれだけのくだらんもので優劣が決まってしまう社会や文化、いちいち優劣が存在するような変なのは、壊れてしまえばよいとも思いますが。

ケアンズで科学のことを考えると、科学にももう少し血が通ってくれるといいのになぁと思ったりまします。

ケアンズ効果ですかね?

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プロフィール

ymitsuiymitsui
三井 康利。 1972年静岡県生まれ。 1997年北里大学医学部卒。 内科医。 現代西洋医学と補完代替医療、思想・哲学の良い点を取り入れ、ホリスティック(全人間的)な視点から医療を考察・提案。 臨床医として日常診療に役立てている。 資格:日本内科学会認定医、日本補完代替医療学会学識医、日本温泉気候物理医学会温泉療法医、日本旅行医学会認定医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医。
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