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エッセー

■その36「ヒーローは嫌い?」

2007年09月05日

 

▲観客の前を横切るイアン・ソープ

 

 オーストラリア人気質を紹介するとき、必ず登場するのは "Tall poppy syndrome" である。
皆が平等であるという考えに立った上で、目立つもの(tall poppy)を嫌い容赦なく切り落とす、という傾向のことを言う。
際立った富や名声、地位を築いた人に痛烈な批判を浴びせたり、コケおろしたりする。
これは、アメリカンドリームを成し遂げたヒーローに憧れるアメリカ人や、スーパーアイドルやヒーローを好む日本人とは、異なった心理状態かもしれない。

日本での若い女の子達の、ベッカムやイアン・ソープへのフィーバーぶりを報道で目にしたのとちょうど同じ頃、子供達の学校のプールで、イアン・ソープやグラン・ハケットが出場する試合が開催された。

有名選手を間近で見られるチャンスとばかりに、ミーハーな私はチケットを手に入れて会場に出かけて行った。
思ったとおり日本人の姿が多かったが、日本でのフィーバーぶりとは全く違う風景がそこにはあった。

イアン・ソープなどの有名な選手がコールされると、もちろん盛大な拍手が送られるものの、彼らに送られる声援は、ほかの無名な選手に対するものとたいした差がない。
私は最前列に座って観戦したのだが、彼にサインをせがんだり握手を求めたりする観客はいなかった。すぐ目の前の手の届くところを行ったり来たりしていたのに、である。

日本では、アイドルや有名なスポーツ選手を見つけると、すぐにファンが取り巻いてしまうので、立入禁止のロープが張ってあったりボディガードが待機したりするだろう。

試合の後、オージーの友人達に、イアン・ソープが日本でとても人気がある、という話をしたら、「彼はゲイという噂よ」とか「彼はスポーツ選手のくせに、 ブランド好きでさ」などと言ってコケおろす人が結構いて、日本での金メダリスト(それも、超ハンサム!)に対する反応と全く違うものを感じた。

また、友人の、ホッケーのナショナルチームのスタッフがこんな話をしてくれた。
彼女が選手達を率いてヨーロッパに遠征した時、ヨーロッパのファン達が有名選手をまるで神様のように扱うのを目の当たりにして驚いたという。オーストラ リアでは一度もなかった経験だったと。オーストラリア人はその才能や能力を尊敬はするが、だからといって特別視はしないのだ。

このような傾向は一般の人たちの間にもあるようだ。
ある女子高生が学校で友達を作りにくいという。というのは、両親が評判の金持ちで、おまけに彼女も美人で頭が良いからなのだ。
彼女自身は性格が良く控えめで、できるだけ目立たないようにしているのだが、まわりから何かと非難され嫉妬をかうという。

この話をしてくれたのは、彼女の親友なのだが、親が金持ちだと言う理由でいじめられるのはかわいそうだと話してくれた。余りにも飛びぬけて恵まれた彼女 は、ここでは非難の的となってしまう。日本だったら、学校中のアイドルになるかもしれないのに。

みんなが平等を好む国民性と同時に、際立って成功した人に対するある種の嫉妬と嫌悪感は見ていてとても面白い。

 

Dennis:(コカコーラのマネジャー。彼のユニークなコメントにはファンも多い)
■コメント:"People like Ian Thorpe are heros to us Aussies but we still know they are just people like everyone else. When Ian Thorpe goes to the toilet he does exactly the same thing as me! Australians like everyone to be equal so we don’t put people on pedestals like other countries do."
(イアン・ソープのような人達は、ボクたちオージーにとってのヒーローでもあるんだけど、それより以前に彼らも同じ人間なんだ、という気持ちなわけ。トイ レに行けば、ボクと同じことをするわけだし。オーストラリア人は、誰でもが平等だと考えているから、他の国の人がするように誰かを祭り上げたりはしないん だよ)

 

 

Cheryl:(仕事、家庭、趣味を両立させる肝っ玉母さん)
■ コメント:"The tall poppy thing definitely exists. It’s sad really, people just wait for them to do something wrong and then they pull them down over it."
("Tall poppy syndrome"は確かに存在するわね。悲しいことだけど、目立っている人が何か間違いをおかすのを待っていて、一旦そうなると、それ見たことか、と引きずりおろすのよ)

 

 

Cathy:(日本語教師。日本人留学生の強い見方)
■ コメント:"In Australia we love to see the ‘aussie battler’ come through and be sucessful. An Aussie battler is someone who has started at the bottom and worked very hard against the odds to be successful. We love to see those people do well but if they get too sucessful or arrogant, we love to chop them back down again. Another example of this is how Aussies always like to support the underdog. So for example if there is a weaker team who hasn’t been very sucessful, we like to support them because we don’t want to see the sucessful team win again."
(オーストラリア人は、’aussie battler’ が何とか頑張って成功するのを見るのが好きなの。’aussie battler’ というのは、底辺から出発して、必死になって勝ち上がっていく人のことをいうのよ。でも、人が成功するのを見ることは好きだけど、その人が成功したあと に、反対に傲慢になったりすると、今度は逆に引きずりおろそうとするの。オージーが ‘underdog’ を応援するのも、ある意味では同じことかもしれないわ。強いチームが繰り返し勝つのを見るよりは、弱いチームに頑張って欲しいと思うのよ)


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