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エッセー

■その72「しゃべるために生まれてきた(?)オージー」

2007年09月05日

最近の日本のテレビには若手芸人があふれているようだ。お笑い番組はもちろんのこと、料理番組、歌番組、そして真面目な情報番組まで、芸人達が司会をしたり出演者に合いの手をいれる。

製作側が安易に芸人を使いすぎる、という批判もあるようだが、芸人達に番組を任せておけばギャラも安く、何よりある程度のおしゃべりで番組を盛り上げてくれるというのが本音だろう。

こちらには、そういう芸人は見当たらない。なぜなら、そこらじゅうに老若男女のしゃべりの達人たちがいるからだ。

"Big Brothers" という超人気番組は、若い男女をひとつ屋根の下で数ヶ月間生活させ、その暮らしぶりを毎日放送し、2週間ごとに視聴者の投票で1人ずつ落伍者を決めていく というもの。最後まで残った人が賞金を手にするのだが、登場する人はすべて一般の中からオーディションで選ばれている。

全員素人のはずだが、日本の芸人顔負けによくしゃべる。カメラを向けても全く物怖じしない。何万人という人が見ていることを気にせず、泣いたり、笑ったり、喧嘩したり、ありのままの自分を平気で曝け出す。

とにかくカメラが回っているあいだ中、争うかのように誰かがいつもペラペラしゃべっている。逆にしゃべらなければ、個性がなくつまらない人間として次の週には脱落してしまうのだ。

 

▲小1でもちゃんと発表できます。

 

 子供番組も同様。
「おかあさんといっしょ」のような番組で、毎回2人の子供を招き進行役の大人と一緒にお料理したり工作したりするコーナーがあるのだが、何度も思わず噴き出してしまった。

3〜4歳の子供が番組の途中で「近所の友達のハリーはね・・・」とか「この間お母さんが僕にね・・・」と番組の進行と関係なく話しはじめるのだ。

進行役が困ってしまい、なんとか子供におしゃべりをやめさせようとするが、子供はおかまいなしに自分の話を続けようとする。日本の決まりきったせりふを言う子供番組ではみられないことだ。

大人が出演するトーク番組や料理番組にもはっきりと違いがある。
日本のトーク番組では、コメンテーターやアシスタント、何人かのタレントを招き複数でしゃべることが多い。ひとりで番組を盛り上げるだけのおしゃべりの 才能を持つ人が少ないのだろう。そして招かれたゲストも同様で、数人でやり取りすることでやっと番組を盛り上げていく。

こちらの人は、一般の人でも、タレントでも、とにかくおしゃべりが得意な人が多いので、日本のように多数のコメンテーターを招いたりしたら、収拾がつかなくなるのがおちだ。

お料理番組も同様。日本では必ずアシスタントがついて、「○○はこうすると良いんですね」とか「○○の場合はどうすれば良いのですか?」などと言いながら、料理の説明を繰り返したり質問したりして番組が進行する。

ところがこちらでは料理人がひとりですべてやってしまう。アシスタントなど全く必要としない。しかも料理をしながらノンストップでしゃべり続ける。

先日ある料理番組をみていたら、料理をしながら自分の休暇の話に夢中になり、材料や分量の説明をしないまま、どんどんお鍋に材料を入れていくので、 「ちょっと待って、私は材料の分量を知りたいのに!」と思わずテレビに向かって叫んでしまった。

友達のオージーに憤慨してこの話をすると、「よくあるパターンだから気にもならないわ!」とけろっとした顔で当然のように言われてしまった。

子供のアイドル発掘番組でも、優勝した子の両親にマイクを向けると、その子との思い出話などを延々話し出し、司会者がさえぎるほどだ。日本だったら「皆様のおかげです。ありがとうございました。」と涙ながらに語るのが精一杯だろう。

「沈黙は金なり」などという発想はこちらの人には通用しない。下手にしゃべってボロを出すよりしゃべらないほうがよっぽど利口に見える、と思うのが日本 人。自分の意見を言わないというのは、自分に自信がない、意見がない、すなわち中身のない人と見られてしまう、というのがこちらの考え方。

日本人の中ではおしゃべり好きで英語も不自由のない大学生の友人が一言。「オーストラリアの大学のゼミで、ボクの話すチャンスはゼロに等しいんだ。ボク が話している最中に数秒でも間があいてしまうと、もう他のオージーの学生がしゃべりだしてるんだから。」

いずれにしても、こちらの人の目立ちたがりや精神とおしゃべり好きには、驚かされる。それに太刀打ちするには、日本人にとって並大抵のことではないのだ。


Dorota:(晴れて念願の英語教師から日本語教師へ転職)
■ コメント:"Right from the beginning Australians start talking and they never stop. In preschool, even at such a young age, the children are trying to talk over the top of each other to be heard. Australians are very opinionated and are taught from a young age to express their opinions. Whereas Japanese people are very shy and never express their opinions loudly. I think this is because they have had no experience in speaking their minds."
(オーストラリア人は生まれついてのおしゃべりだし、おしゃべりを止めることもないでしょうね。本当にちっちゃい、幼 稚園の頃から、みんなの中でも、自分こそがおしゃべりしよう、と考えているわけ。オーストラリア人はあまり人の意見を聞くことはないくせに、幼い頃から自 分の意見を表現することは教わっているの。日本人は、とってもシャイだし大きな声で自分の意見を言うこともないわよね。きっと自分の心の中を語る、という 経験をしたことがないからだと思うのだけど)

 
 

Sarah:(裁判官歴7年の記念に3ヶ月の休みを取り大学で勉強するという勉強家)
■ コメント:"Education in Australia pushes us to form our own opinions and voice them. It also encourages us to question ideas and knowledge and not just simply accept them. This is especially true when people are talking about a serious matter or trying to find a solution to a problem. You are expected to put forward your opinion in these cases; someone who reserves their opinion is not appreciated."
(オーストラリアの教育で は、まず自分の意見をまとめること、そしてそれを口で説明できるようにすることを奨励しているの。他にも、既存の考えや情報に対して常に疑問を持ち、盲目 的に従ってはいけない、ということもね。真面目な問題に関して討論したり、問題の解決を図るには、このことは本質的に正しいと思う。こういう場では、自分 の主張を明確にすべきだと思う。意見があるのにそれを声に出さないのは、あまり感心しないことだわ)

 
 

Arja:(子供達がホームスクーリングを始め忙しい日々を送る)
■ コメント:"I think that people need to know when to talk and know when to listen. People who never stop talking can get annoying. Conversations work both ways, listening and talking. So I think students need to learn these skills of knowing when to talk and when to be quiet. We call people who never stop talking `motor mouths` because their mouths never stop running. I think that some kids are given too many opportunities to speak and when they come to school, they have a hard time being quiet and listening to the teacher. Some kids are very bold and speak too freely."
(本当は、いつ話をすべきか、そしていつ話を聞くべきか、をわかっていないといけないと思うわ。お しゃべりばかりする人は、うるさがられているはずよ。会話っていうのは、聞くこと、そして話すことの両方が必要なの。だから学生は、話をすべきときと静か にすべきときを見分けるための訓練を受ける必要があると思うの。しゃべってばかりいる人のことを"モーターマウス"って呼ぶのよ。口が動き続けるわけだか らネ。子供たちの中にはおしゃべりすることが普通になってしまって、学校に入学してから静かにしたり先生の話を聴いたりすることが困難な子もいるのよ。ず うずうしくてしゃべりすぎの子もいるわね)

 
 
 

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