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エッセー

その46 I Can Do It

2007年09月05日

 はっきり言って、オージーには自信過剰な人が多い。それほど大した能力でなくても、私はこれができる!と堂々とアピールする。

日本人から見ると、とてもおこがましくて、できると言えるようなレベルでなくても。何でだろう?とよく思っていたけれど、これはやっぱり文化なのらしい。

息子の学校では "I Can Do It"精神が根付いており、「できないことはない!何でも頑張ればできるんだ!」そういう考え方を徹底させている。

彼に聞いたところ、先生が折りに触れて生徒にブレインストーミングすると共に、学期の初めにスターの絵を"I Can Do It"ブックなるものに描き、各自がその絵を時々眺めるのだとか。スターを描いた趣旨を聞こうとしたが、僕はムービースターを描いた!と言うので、何だか よくわからない。「何でも可能さ。僕も輝く星になれる」ってことなのかな…?

また、朝礼の時に、今週のアチーバーということで、クラスから1人づつ選ばれた生徒が"I Can Do It"の賞状をもらうことになっている。内容は、担任の先生が考えたもの。うちの子は静かなので、「大人しく先生の言うことを聞いてます」という、無理矢 理さが痛いコメント付きの賞状をもらったこともあった。

一人一人に、何等かのお褒めの言葉を考えなければならない先生は大変だろうと思う。

所属しているフットボールチームも然り、でピザ屋さんとかハンバーガー屋さんがスポンサーになって、「よく頑張ってるぞ」的な賞状をくれる(これも、別に試合で活躍してなくても順番にもらえるものだと思う)。

この賞状には、ピザの割引券とか、ハンバーガーの割引券などが付いている。もらった子は誇らしくカウンターでその券を差し出す。もちろん、親や兄弟もそこへ一緒に行って飲み食いするわけだ。

子どもの「俺はできるんだ!」という自尊心を高めつつ、しっかり稼ぐ。何と素晴らしいマーケティングなのだろう。

最初に賞状をもらった時は、すごいじゃん!と一緒に喜び、ファイリングまでしていたが、次第に、また次の週末はハンバーガー?…と思うように。

さて。誰でも励みになるので、表彰されるのはとってもいいことだと思う。けれど、表彰されたり褒め続けられていると、自己過大評価をに結びつく気がしてならない。

オージーの履歴書は、よくここまで自分のこと褒められるもんだ、と感心してしまうものが多いし。

逆に日本人は謙遜しがちだから、もっと自己アピールした方がいいのかもしれない。足して2で割ると結構いいさじ加減の人間になりそう??

オーストラリアで生きていく以上、ハッタリをかますのが巧い方が、生きて行く上で得が多そうなのは確かだ。

息子はこの辺りは非常に日本人っぽく、「僕には無理だと思うけど」とよく言う。図々しいよりどちらかと言うと謙遜する人の方が好ましいと想いつつも、「できないと思ったら本当にできなくなるから、できると思いなさい!」と、言っている私。

「できる」と周りにアピールする必要はないし、できてないのに出来ると思うのは困りモノだけど、自分の中で「きっとできる」と思うことは大切だと思うから…。

息子が空手を始めた頃、「道着は、5週間通ったら買おう」と言うと、憧れてたらしくコツコツ頑張った。

それなのに、5週間目に、注文しようとすると、なんと「いい。僕には早い」と言って断ったのだ!まだ道着を着る資格がないと思ったらしい。あ〜ビック リ。道場で同じお稽古に通う男の子のお母さんにそう言ったら、「ええ!うちなんか入門する時から黒帯買ってって言ってたよ」ということだった(笑)。

まとめ。「きっとできる」と自分を信じても勘違いはしないでほしい。でもオーストラリアなんだから、周りに合わせて少しは図々しく…母親とはどこまでも身勝手なものなのです。

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