日本から自由にお買い物!


ケアンズの注目キーワード

売ります・買いますなどケアンズの掲示板

エッセー

vol.43「ボートから見たイルカ」

2007年05月06日

 海に出かけると思いがけない光景に出会うことがある。日没の瞬間に天候やその他の条件が揃ったときにだけ見ることができる「グリーンフラッシュ」などは見ることができると感動である。
僕の中で一番印象に残っているのは、セブ島で夜、海を見ていると水面を泳ぐイルカの背中が夜光虫で光り暗闇の中にぼんやりとイルカの形のような光が浮かび上がったことである。その1回しかその光景は見ていないが、今でもはっきりと記憶に残っている。  

 もちろん写真など撮れるような条件ではないので皆さんに見せることは出来な いが、海に出るとそんな不思議な体験をすることがある。
2年前のミンククジラ追跡クルーズでの話。グレートバリアリーフは冬の期間南東の風が吹き、決して穏やかな海況とは言えない日が続くことが多い。
それでもリーフの内側に入ってしまえば問題なくダイビングができるし、水中のコンディションも全く問題にはならない。この時期のクルーズで4・5日間北へ向かってミンククジラとの遭遇を楽しむのだが(ちなみにこれは世界中を見ても珍しい)、毎年ある程度の風は覚悟しているし、多少の船の揺れも予想してツアーに出かける。
ところが、出発してから5日間全く風が吹かなかったのである。水面がオイルを張ったような滑らかなガラスのようになっていて、水平線のほうを見ても空と水面との境目がわからないほどである。
通常1日だけ同じようなコンディションになることはあるのだが、5日間のクルーズでそのうち4日間、それも冬季にである。そのときのダイバーはラッキーとしか言いようがない。

当然、水面で何かが動けばすぐにわかる為、クルーズ中のミンククジラ遭遇率は今まで行った中でも最高だったのは言うまでもない。
そこで、また思いがけない光景に出会ったのである。それがこの写真。撮影したのは走っているボートの上からである。
写真の右下のボートが写っているのがはっきりと見える。これほど水中にいるイルカをボートからはっきりと写真に収めたことがなかった。空を飛んでいるような感じである。
しばらくボートの船首部分で遊んでダイバーを楽しませてくれたが、水中でイルカを見たとき以来の全身をはっきりと見たイルカ…最高であった。
単純にミンククジラとの水中での遭遇も衝撃的な体験であるが、その中でも特に印象に残っているシーンを上げるとするなら、昨年のクジラの中でダイバーが前に差し出した手のひらを口先がくっつくぐらいまで体をまっすぐ立てて上がってきたときだろう。
全身が8mほどもあるクジラがである。ダイバーのほうがビビッてしまい、クジラが触れる直前に手を引いてしまったのであるがそのまま出していれば確実に「ミンククジラの手のひらキス」であった。
イルカ・クジラではないが、マンタのひれでビンタを食らったことがある。マンタとの出会いだけでも興奮するが、そのときはなぜか1列になって水面近くを行進しており、スノーケリングで次から次へとやってくるマンタを正面から眺めることが出来たのである。その数20枚以上。
どうも行進中のコース上にいたのが僕だったようで、一枚のマンタがにらめっこするほど寄って来たと思ったら、くるりと体の向きを変えるときにヒレの先で僕のほっぺたを「パシッ」と叩いたのである。これにはびっくり、ビンタをされて感動してしまった。
そうだ、一つ忘れていた感動のシーン。またまたイルカに戻るが、アーリービーチで働いていたときの話。
水中でなくした講習用のスレートを探しにボートから一人で潜ったとき、ふと気配を感じて振り返ってみるとそこにイルカの赤ちゃんが体を立てて僕を見ていたことがある。すぐに母親のイルカが呼びに来て泳ぎ去ってしまったが、しばらく呆然としてその場から動くことができなかった。
われに返り、水面に浮上してみると、ボートのクルーが他のお客様と一緒にイルカの群れを追っていた。近くに群れがいたようである。
最近どうも事務仕事が多く、ダイビングに行く機会が少なくなってきている。旅行に行く機会も減ってきている。 なので、昔のこんなシーンを思い出すことが多くなってきてしまった。
またこれからも新しい感動の瞬間を期待しつつ潜りに行かなければ!

関連記事

このコメント欄の RSS フィード コメントはまだありません »

コメントはまだありません。

コメントをどうぞ

トラックバックURI:

http://www.livingincairns.com.au/%e3%82%a8%e3%83%83%e3%82%bb%e3%83%bc/vol43%e3%80%8c%e3%83%9c%e3%83%bc%e3%83%88%e3%81%8b%e3%82%89%e8%a6%8b%e3%81%9f%e3%82%a4%e3%83%ab%e3%82%ab%e3%80%8d/trackback/

新着エントリー

新着コメント

RSSフィード

このブログのRSS
この記事/コメントのRSS