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エッセー

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■その25「学校がディスコ会場!?」

2007年09月05日

 

▲小5とは思えない華やかな服

 

 ある日、学校主催の"Social"があった。"Social"って何?
学校からの手紙には夕方6時から9時までとある。そんな時間に生徒を集めて何をするのだろう?

興味津々で子供を連れ学校に行くと、驚いた。学校のホールの天井には、どこから調達したのかミラーボールがつり下げられ、おまけにスモークがたかれてDJが叫んでいる。
子供達は、メイクアップをしたりグリッターをつけたりして、目一杯のおしゃれを楽しんでいる。

私は思わず目を疑った。
「小学校がこんなことしていいの〜?」
子供達は慣れたもので、思いっきり足腰を動かして、ダンスを楽しんでいる。

日本人の常識では「ソーシャル」というと「社交ダンス」。でも、実はディスコパーティだったとは。
オージーの子供達は、こんな小さい頃からディスコを、しかも小学校で体験していたのだ!日本の堅〜い先生が聞いたら眉をひそめそうな話である。

 

 

Doug:(郵便配達、肉屋、美容師、調理師どれも5年以上の職歴)
■ コメント:"It’s a good opportunity for the kids to mix with each other and it’s good for the parents because they know where their children are."
(子供達が一緒になって騒ぐのは良いことだと思うし、親にとっても子供がどこで騒いでいるのかわかるので、いいんじゃない)

 

 

Trevor :(元大工さん、最近自宅に見事な日本庭園を完成)
■ コメント:"I think that school socials help children to develop social skills and it’s a good opportunity for some of the shyer kids interact with their peers in a more casual environment. They need to be able to experiement with dressing up and going out while still being in a safe environment. So I think they are a great idea."
(学校のソーシャルはそのスキルを身につける という意味でも子供達の役に立つと思うし、特に少し内気な子供にとって、よりカジュアルな環境で仲間達と触れ合うことができる良い機会だと思う。ドレス アップして外出するというのを、安全な環境で経験できるというのは必要なことだ。だから、とっても良いことだと思うよ)


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■その26「芝刈りはこれでおまかせ ride on mower」

2007年09月05日

 

▲お値段は$ 1,500〜$ 5,000と様々

 

 初めてこれを目にしたとき、「何これ?大人用ゴーカート!」と思ったが、実はこれ、芝刈り機。ライドオンと呼ぶ。広い庭を持つオーストラリア人には必須アイテムだとか。
もちろん日本で目にする、手で押すタイプの芝刈り機が一般的だが、エーカーハウスには「一家に一台」な機械である。

「私も主人と交替で、毎週乗っているわよ」と話してくれたのは、76歳のおばあさん。オージー女性はたくましい。特に雨期には週に1回は芝刈りをしないと、あっと言う間に草ボウボウになってしまうとか。
もちろん、仕事が忙しかったり庭仕事が苦手な人は、月に何回か人を雇って芝刈りだけやってもらう。私も一度はライドオンに乗ってみたい!と密かに思っているのだが…。

 

 

Bill:(空軍エンジニアの経験を活かして、趣味は飛行機のモデル作り)
■ コメント:"Ride on mowers are very popular in this area. It takes us about 3 to 4 hours to mow our 8000 square metre yard. My wife and I share the mowing. The most important thing is watching out so you don’t run into trees, and we have a lot of trees !"
(このあたりでは、ライドオンは珍しくないよ。8000平方メートルの庭を刈るのに3〜4時間かかるかな。うちは夫婦で刈っているよ。木に突っ込まないように注意しないとね。だって、うちには木がたくさんあるからね)

 

 

Trevor :(元キャトルステーションのオーナー。3女の父)
■コメント:"We have an acre block and it’s too big to push a mower and too small to have a cow, so we have a ride-on mower instead."
(うちにもちょっとした庭があるんだけど、手押しの芝刈り機で刈るには広すぎるし、牛を飼うには狭すぎる。だからライドオンを持っているんだ)

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■その27「どこから来るのかその自信」

2007年09月05日

 

▲みんな、自信満々

 

 日本人のことを良く知るオージーが、冗談混じりに言った。
「日本人が、『私はテニスができる』とか『ピアノが弾ける』と言ったら、そのことに関してはある程度の自信がある、と言う意味だよね。でもオージーが 『○○が出来る』と言っても当てにならないよ。一度しかやったことがなくても、『自分はうまい』って平気で言うから」。
これまで何度も「自分はうまい」という言葉に騙されてきた私は、オージーでありながら、オージー気質を分析した彼を誉めてあげたくなった。

こちらの人は、妙に自分に自信を持っている。謙虚さが美徳のひとつと教えられてきた私には、驚くことが多い。
「オージーは教えることは好きだけど、教えられるのは嫌いかもネ」と友人が笑って言っていたが、これも、自分に自信があることの事の表れかもしれない。

先日、子供の学校で、生徒会の役員を決めるための選挙演説があった。立候補者達のスピーチを聞いた我が家の子供達は、唖然としたらしい。日本の演説で は、「僕が生徒会長になったら○○をしたい」というものがほとんど。
ところが、こちらでは、自分がいかに優秀で生徒会長になるにふさわしいか、を得々と説明する。「今まで○○賞を何回取った」とか「スポーツの○○大会で優勝した」とか、自慢大会のようだったという。

息子のサイン帳には、「自分はかっこいい!天才!スポーツ万能!女の子にもてる」などという自信満々な自己紹介が多い。そして、とてもそうは思えない子が自信を持って書いているのである。
息子曰く「こっちの子って本当にそう思っている所がすごいよね」

娘の学校の日本語の教師はオージーなのだが、授業中、日本語の言い回しの間違いを娘の日本人の友人が指摘した。すると、「そんなことはない。あなたがおかしい。あなた日本語忘れちゃったの?」と英語で言われた。
その友人は憤慨して「私は正真正銘の日本人。家でも日本語でしゃべっているのに」と叫んだ。しかしその先生は、なんと言われたのかも分からない。つまり、その程度の日本語の能力なのである。

こういったオージー気質は、持って生まれたものなのか、「誉める教育」の成果なのかわからない。
しかし、「自分が好きになれない」「自分に自信をもてない」人が多い最近の日本人は、(ずうずうしい?)オージーを見習って、もっと自分をアピールし、もっと自分自身に自信をもつべきだ、と思うのである。

 

 

Niel:(我が家の大家さん。つい最近我が家のベランダを自分で作り完成)
■ コメント:"Japanese people are a lot more modest about their skills and achievements than Australian people. Aussies on the other hand love to tell you how good they are at something, they like people to think they are good. Whether we believe them or not is another story."
(日本人はオーストラリア人より、自分の技能や成果を自慢することがないと思う。逆に、オージーはどんなに自分が素晴らしいか自慢するのが好きだし、人にもそう思ってもらいたい。まあ、信じるか信じないかはまた別の話だけどね)

 

 

Dorota :(語学学校教師。趣味は日本人の男子学生をからかうこと)
■ コメント:"Japanese people are very modest and I think this comes from their culture. This is a shame because they have great skills but just lack self-confidence. Australians on the other hand are over-confident! I think it would be best if there could just be a balance between the two."
(日本人は、とても謙虚だと思うわ。きっとそれは文化から来ているのね。折角素晴らしい技術を持っているのに、今自信を喪失しているのは残念なことだわ。オーストラリア人は、それに比べて自信過多だと思うわ。中庸が一番いいと思うのだけど)

 

 

Doug:(自宅に何種類もの鳥を飼う愛鳥家)
■コメント:"We have a few Aussie phrases such as ’self-praise is no recommendation’, This saying means that people often make out that they are better than they really are. We call someone a ’skite’ if they are a show-off. Or if they are showing off we say they are ’skiteing’. If someone is ‘big mouthing’ themselves this means that they think they are very important and are exaggerating their real abilities."
(「自慢はよくないこと」というオーストラリアの格言があるよ。つまり、人というのは本当の自分より良く見せようとするものだ、ということ。目立ちたがり 屋のことを「skite(自慢屋)」と呼ぶんだ。見栄を張っているヤツには「skiteing(自慢してら)」と言ったりもする。「big mouthing(大口をたたく)」というのは、自分のことをすごいと思っていて、自分の能力以上に自慢するヤツを言うんだ)


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■その28「20年後に離婚!」

2007年09月05日

 

▲写真はイメージです

 

 オーストラリアの社会問題の一つに高い離婚率がある。今では3組のうち2組は離婚する、とも言われている。背景には、女性の社会進出と離婚家庭に対する政府の多大な経済的援助があるようだ。

子供から「エミリーの兄弟は3人ともお父さんが違うんだって!」と聞いても別段驚かなくなってしまった。
周囲を見回すと、ずっと連れ添った夫婦を捜すのが大変なほどだ。子供達は平日にはお母さんの所、週末はお父さんの所で過ごす、というようなケースも多い。

「このホリデイは自分の子供は前の旦那のところで過ごし、私は今の旦那の前の奥さんとの子供と過ごすのよ」という友人がいたが、何とも理解しがたい状況である。
いずれにしろ、大人の都合に振り回される子供達はかわいそうだ。こんな状況では、子供達が結婚に夢を持てないのも仕方がない。

娘の学校で「将来の自分の姿」という作文のテーマが出されたとき、半数位の生徒が、「30歳で離婚」とか「40歳で離婚」と書いたそうだ。自分の将来像の中に離婚経験を思い描くとは、寂しい話である。
しかしオーストラリアではごく当たり前の事として、受け止められているのだろう。
「ナタリーは、今日はおばあちゃんの結婚式に出席するんだって」
これも決して珍しくないことなのだ。

 

 

Shelly:(陶芸の先生。広いエーカーハウスをご主人と二人で守る)
■ コメント:"It’s easier for women to divorce nowadays because there are so many women in the workforce and they can go out and get a job and earn money. So it’s easier for them to get out of a marriage than to put up with it."
(最近は、女性にとって離婚はさほど難しくないのよ。労働人口の中にしめる女性の割合は増えてきていて、社会に出てお金を稼ぐこともできるから。だから、結婚生活に耐えられなくなったら、さっさと離婚してしまうわけ)

 

 

Edna :(家に居るのが一番の幸せという、安上がり”cheep to keep”な 主婦)
■ コメント:"I think when the mother and the father are always fighting and arguing it’s not a good environment for the kids to be in. So it’s best that they part. Usually the Mother gets the children and the Father gets to visit them on weekends."
(両親がケンカばかりしていたら、子供達にとって良い環境とは言えないわ。そういうときは、別れてしまうのが一番。母親が子供を育てて、父親は週末に会いに来る、というのが一般的ね)

 

 

Scott:(独身主義。週に1〜2回はパブ通い)
■ コメント:"I don’t believe in marriage. Nowadays everyone is so busy and they all have their own lives. In my opinion, marriage is an old fashioned convention that often doesn’t work in today’s society. Sometimes mates come and go, so why should you commit yourself to someone until you die?"
(ボクは結婚には価値を認めないな。今は誰でも皆忙しく暮らしていて自分のことで精一杯。結婚というのは旧式の慣例だよ。今の社会には似合わない。相棒は知り合ってまた去っていくものだよ。それなのにどうして死ぬまでひとりのひとに一生を捧げなくてはいけないの?)

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■その29「学校で一杯いかが?」

2007年09月05日

 

▲お酒をのみながら、くつろいだ雰囲気の父兄席

 

 娘の学校で "Fashion parade" が開かれた。生徒がモデルになるファッションショーである。

いつものように車で学校まで行くと(こちらは車社会なので自家用車での送迎が普通)、今日に限って、何人もの父兄がタクシーで乗り付けている。
「どうしてタクシー?」

その疑問は、受付を済まし会場に入るとすぐに解けた。ショーの観客用に学校がジュース、コーヒーなどの飲み物や食べ物を販売しているのだが、その中に堂 々とビール、ワイン、シャンパンが入っている。おまけに父兄用のテーブルには、おつまみまで用意されている。
ここはどこ〜? 神聖なる学問の場でしょ!

 そんなことにはお構いなく、父兄達はお酒を飲みリラックスしながら舞台上の我が子の活躍を見ている。お酒が入った父兄は、陽気になり大きな声で子供達に 声援を送る。緊張した面もちで我が子を見守る、日本の父兄とはエライ違いである。

ショーが終わって会場を出ると、学校の前にはタクシーがずらっと並び、ほろ酔い加減の父兄を待っていた。学校は父兄も子供も一緒に楽しむ所でもある、というコンセプトを感じたのだった。うらやましい…。

 

 

Edna:(古き良き時代を懐かしむ、近所のおばあさん)
■ コメント:"In my opinion I don’t think that alcohol should be available at school functions. It sets a bad example, kids will think wherever they go they can have alcohol."
(学校でアルコールを出すというのは、考えものね。こんなことをしていると、どこでもアルコールが手にはいると子供達が思ってしまうわよ)

 

 

Aimee:(毎朝5時に起きて家のビジネスを手伝う、親孝行な大学生)
■ コメント:"I don’t see the problem with schools supplying alcohol for parents at school functions. I have been to many school functions where parents were able to buy a glass of wine or a beer and I think it makes the atmosphere a lot more enjoyable and easier for parents to socialise with each other."
(学校で両親のためにアルコールを出すというのは、問題はないと思うわ。両親がワインやビールを買うことのできる学校はいくつもあるし、親たちが楽しくお互いに付き合うことのできる雰囲気を作ってくれると思うわ)


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■その30「新聞は投げる物?」

2007年09月05日

 

▲これが、棒(!)新聞

 
 

▲可愛いポスト。棒新聞を投げ込むのは、西武・松坂でも無理!

 

 こちらでも、毎朝、新聞は各家に配達される。
最初に新聞が我が家に配達されたときには、ビックリしてしまった。新聞をくるくると巻いたうえ、ラップでくるんである。細長くて棒状なので、ポストには とても入らない。配達人は新聞を車から勢いよく家に投げ込むのである。
ある時は玄関の前、次の日には庭、そしてガレージの前、と毎回どこに投げ込まれているかわからない。

ニュースエージェンシーを経営している友人に苦労話を聞いた。
新聞をラップにくるむ作業はなんと手作業。また新聞は家の近くに投げ込むだけなので、心ない人が拾って持って行ってしまうことも多いそうだ。バス停の近 所などの人通りが多い場所では、特になくなることが多い。なんとも世知辛い話だ。

実は私の家でもちょっとした事件があった。

引っ越してすぐ、新聞が続けて配達されないことがあった。そのときは、配達ミスだろうと思い、ほっておいた。
次の日の朝、いつもより少し早起きして室内を片付けていると、隣人が我が家に向かって歩いてくるのが、窓越しに見えた。用があるのかと思い待っていたが 一向にノックの音が聞こえない。不審に思って、玄関から覗いてみると、さっき見た隣人がうちの家の前の新聞を拾って自分の家に持ち帰っている。

のんきな私は、「うちの前に彼女の家の新聞が、飛んできてしまったのかな?」と思ったくらい自然な姿だった。しかし、案の定、我が家の新聞はどこにもない。
次の日から、彼女より早く新聞を取りに行くことにしたのは、言うまでもない。あまり経験したくない小事件だった。

 

 

Aimee:(現在year2の教育実習中。実家はニュースエージェンシー)
■ コメント:"We have about 300 papers to deliver each morning, We hand wrap them using a big board with a plastic wrap similar to glad wrap. Each paper usually takes us about 4 seconds to roll. Every now and then we get a phone call from a customer saying that they didn’t get their newspaper. We remember that we threw it so we tell them that it must have been stolen. In this case we arrange to throw their paper somewhere else where people walking past can’t see it, like a driveway or backyard."
(うちでは、毎朝300部を配達してるわ。大きなボードの上で、食品用のラップと同じようなラップを使って、しっかり 巻くの。一部仕上げるのに4秒くらいかかるかな。お客さんから「新聞が届いてない」という電話がかかってくるのは、しょっちゅうだわ。ちゃんと配達してい るのだから、「きっと盗まれたんでしょう」と答えるの。こういう家には、次回から、歩いている人から見えない場所、つまりドライブウェイや裏庭に投げ込む ようにするのよ)

 

 

Matthew:(日本大好き。「本当は日本人に生まれたかった」と)
■ コメント:"How poor ! You should get up early and tie some fishing line to your paper and wait for them to come and take it. When they walk over you should pull the line, that will teach them !"
(なんてみみっちいんだ。今度、早く起きて新聞に釣り用の糸を巻き付けて、待ち伏せしときなよ。新聞を盗みに来たら、糸を引っ張るんだ。そしたら、「気が付いているゾ」って、わかるだろ)

 

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■その31「オーストラリアのカフェ文化」

2007年09月05日

 

▲たっぷりのカプチーノの泡

 
 

▲外のカフェでくつろぐ人々

 

 かの有名なJ.K.ローリングは、赤ちゃんを連れカフェに通って「ハリーポッター」を書き上げたという。
比ぶるべくもないが、今私もこの原稿をカフェで書いている。家ではつい他の仕事に時間がとられ、なかなか落ち着いて書く気になれない。

日本に一時帰国したとき、私が一番恋しかったのは、ビーチでも広大な大地でもコアラでもなく、この居心地の良いカフェだった。
一杯のコーヒーさえ頼めば、ゆったりと新聞や雑誌を読んだり、友達や家族とおしゃべりを楽しむことができる。

日本にもカフェは増えてきたが、隣のテーブルとの距離も近く、落ち着かない。
「お下げしてもいいですか?」と言って食器を下げに来るウェートレスもいるし、雰囲気の良いカフェは混んでいて、横目で入り口の長い行列を見るだけで、小心者の私は気もそぞろだ。

 "Would you like a cuppa (cup of coffee) ?"
ここでは、こう言って、みな気軽に友達を誘いお茶をする。カプチーノはカップから落ちそうな位泡をたっぷりとのせてくれるし、グラスに入ったカフェラテはコーヒーとミルクがグラデーションして3色になり、見た目もとてもおしゃれ。
日本でもカフェ文化が成熟して、ゆったりとくつろげるカフェができてきたら、生活にもっとゆとりが生まれると思うのだけれど。

 

 

Roxanne:(3女の母。趣味は陶芸。現在は1エーカーの土地に新居を建築中)
■コメント:"We like coffee shops because they are great places to meet and catch up on all the gossip. Most of the time there are outdoor areas and the weather is usually good which makes sitting outdoors very pleasant."
(コーヒーショップは好きよ。おしゃべりをして情報を得ることができるし。ほとんどの時間をカフェのアウトドアスペースで過ごすわ。天気が良ければ外で過ごすのは気持ちが良いものよ)

 

 

Sonya:(幼稚園教諭歴10年のベテラン。現在ベリーダンスに夢中)
■ コメント:"It’s nice to meet friends for a coffee and we sit and chat for an hour or so and watch the different people of the city go by."
(友達をカフェに誘って、小一時間おしゃべりをしたり、前を通る人達を眺めるのは、楽しいわよ)

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■その32「自分の意志ははっきりと!」

2007年09月05日

 

▲ボクのこと好き?

 

 ある日小学生の息子が「どう答えればいいか、わからない」と困惑した顔で帰宅した。友人との会話の返答に困ってしまったようだ。
その質問とは、
"Who do you like better, me or Jake?(ボクとジェイクのどっちが好き?)"
" Which group do you want to play soccer with?(どっちのグループとサッカーしたい?)" と言うもの。
子供の世界ではありがちな問いだが、驚いたのは、相手のいる前で聞く、ということ。日本の場合、当人がいる前でここまではっきり言うことはないだろう。

娘にもやはり同じ悩みがあった。
"Do you want to sit next to me or Natalie? You choose.(私とナタリーのどっちと隣に座りたい?選んで!)" どちらを選んでも選ばれなかった方が傷つくのは当然だ。

ほかにも、"Am I your best friend ?(ぼく、君の一番の友達?)"とか、"You don’t like me, do you ?(僕のこと嫌いでしょう?)" などと聞かれることもある。答えることは可能でも、実際には返答に窮してしまう。

「相手はどう思うだろうか」とか「相手に嫌われるのではないか」と他人を気遣ったり自分が傷つくのを恐れる日本人とは根本的に感覚が違う。
子供の頃から、思ったことをストレートに口にし相手にもそれを望むのが、こちらのやり方なのだろう。昔から、日本人ははっきりとモノを言わない、と言われるが、やはり文化の違いなのかもしれない。

閑話休題。
日本人の女性と国際結婚したオージーの男性が、「うちの奥さん結婚前より強くなって、コワイ!」と言うのをよく聞くが(笑)、この国では自己主張しなければ生きていけないんだもの、当然よ!

 

Aimee:(10年前には小学生)
■ コメント:"I remember kids at school asking each other who they like better. Most of the kids were very open and simply told them the truth. I think this is because aussie kids are taught to be open about their feelings. I was always worried about their feelings so I would say ‘I like you all the same’. Maybe I’m not a typical aussie!"
(私の頃も、学校で誰が好きかお互いに聞きて いたわ。ほとんどの子供達は思った通りに本当のことを言うわけ。オーストラリアの子供達は自分の感情を素直に表に出すように教育されているからだと思う わ。私はそういうことにはついていけずに、いつも「あなたたち、皆が好き」と言っていたけど、たぶん私は少し変わったオージーなのね)

 

 

Luke:(Year8、息子の親友。週末は別荘で過ごすお坊ちゃま?)
■ コメント:"If someone who I don’t like asks me then it’s easy to tell them I don’t like them, I just diss them! But if a nice friend asks me then it’s harder to answer because I don’t want to make them upset."
(もし嫌いなヤツがそう聞いてきたら、嫌いだと言ってやるし、もっとイヤなことも言ってやる。でも、いいヤツだったら難しいなあ、悲しませたくないしね)


 

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■その33「生後3週間でパブデビュー?」

2007年09月05日

 

▲家族で楽しめるファミリーパブ

 
 

▲こちらは大人(男性?)用パブ

 

 イギリス文化の影響が色濃いオーストラリアでは、どんな小さな町にも必ずパブがある。
薄暗い照明の中で、ウィスキーやビールを飲み、時によってはビリヤードやゲームマシンに興じ、クリケットやラグビーのスポーツ番組に歓声を上げる。
こういったパブには、女性は入りにくい。昔ながらの男性文化圏である。

「うちの主人は、結婚以来パブには行ったことがないのよ」と自慢げに話す友人がいたが、仕事帰りにパブに入り浸り家庭を顧みない男性も多いので、パブは女性の敵だ、とも言えるかもしれない。

一方で、ファミリー向けのパブもある。ベビーカーや小さい子供を連れた家族でも気軽に楽しめるパブだ。子供用遊具をおいてあるスペースがあり、親たちは ビールを片手におしゃべりを楽しみ、子供達は遊具コーナーで遊んでいる。
ここでは親子共々楽しむことができるので、とてもいいアイデアだと思う。

日本では、子供連れ、特に小さい子がいる家庭では、遊具コーナーのあるマクドナルドにお昼を食べに行くことはあっても、居酒屋にお酒を飲みに行くことなど考えられないだろう。でも、ファミリーパブのような家族的でカジュアルな雰囲気ならOKだ。

つい先日も近くのパブに家族で出かけたが、3組もの知り合いの家族連れに会ってしまった。皆よく来てる証拠。
その中の1家族は、「今日は娘のパブデビューなんだ」と。ふと見ると、お母さんの腕の中で、生まれて3週間という赤ちゃんがスヤスヤ眠っていた。
なんと素晴らしいこと!私もオーストラリアで子育てをしたかった。そうしたら、たまに家族でパブに出かけ、ストレスも解消できたのに…。

 

Edna:(子供、孫、ひ孫に囲まれた幸せな生活を送る近所のおばあさん)
■ コメント:"My husband and I often go to the pub on friday evenings and we meet my children and grandkids there. My great grandaughter goes there so often that she refers to it as ‘my pub’."
(毎週金曜日の夜は夫婦でパブに出かけるわ。子供や孫達も来ているのよ。私の可愛いひ孫娘は、しょっちゅう来ているので、「私のパブ」なんて言うのよ)

 

 

Scott:(のんびりしたケアンズが大好きという我が家のプールクリーナー)
■ コメント:"I go to the pub once or twice a week. I have a few drinks and a feed and unwind a bit. Sometimes I meet friends there and sometimes I go alone. If I’m alone I just strike up a conversation with the bar staff and have a few games of pool. I often meet new friends there but I have forgotten half of them by the next morning."
(週に1〜2回はパブに行くよ。お酒を少々と食事を頼んでリラックスするんだ。友達と会うこともあるし、ひとりで過ごすこともある。ひとりの時は、バーテンと話したり、ビリヤードをすることもある。でも、たとえそこで友達になっても、次の朝には半分も覚えてないね)

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■その34「プールは車1台分!」

2007年09月05日

 

▲プールで遊ぶ子供達

 
 

▲プール管理は男の仕事!

 

 ここケアンズは、熱帯にあるリゾート地。ホテルにプールがあるのは当然だが、「プール付き」の個人住宅も多い。
日本で自宅にプールがあるなどと聞くと、どんな豪邸かと思ってしまうが、ここでは”ちょっぴりゼイタク”な程度である。

日本ではさしずめ「美築。車庫二台分有り」といった程度か。プールの建築費用は、ほぼ新車1台分ということだが、維持費も高く管理も大変なので、「プールなんて面倒なだけ」というオージーもいる。
プールショップというプール専門業者の店が町のあちこちにあるのも、日本にはない風景だ。

ちなみに、こちらのプールは塩水プール。プールショップには、「プール用塩」と書かれた大きな袋が売っている。
泳いでいて水が口にはいると少し違和感を覚えるが、良く浮くし、ヌメりもないし、慣れてくるとなかなか良い消毒方法だと思えてくる。

遊び盛りの子供がいる家庭では、プールに助けられることが多い。学校から汗まみれで帰ってきて、そのままプールにドボン。お泊まり会や誕生日パーティでは、プールで多くの時間を過ごす。

それにしてもオージーの男の子達の遊び方はすごい。わんぱくな子になると、屋根からジャンプしてプールに飛び込む。ホースを持ち出して、水を勢いよく顔 にかけ合ったり、水風船をぶつけあったり、ヌードルと呼ばれるポリエステルの長い棒で叩きあったり。それはもうワイルド。
女の子は、「マルコポーロ」というプール版鬼ごっこで遊んでいる。

照明付のプールの場合、また違った利用方法がある。
夜、ライトアップされたプールは演出効果抜群。暑いケアンズでは、水のそばにいるだけで涼しさを感じるし、水辺で飲むビールもまた格別だ。
夕食をプール脇で食べたり、食事の後、家族で泳いだりすることも。もちろん、パーティの舞台がプール脇であることも多い。

こんな生活が普通に働いていれば手に入るところが、ここの良さである。なんともうらやましい話だ。

 

 

Niel:(趣味はサッカー。スペリングに強いYear8)
■ コメント:"I really enjoy having a pool. It’s refreshing to come home on a hot day and relax in the pool. I probably have a swim about 3 times a week."
(自宅にプールがあるのは、本当に楽しいよ。暑い日に家に帰ってプールに入るとリフレッシュになるし。週に3回くらいは泳いでいるかな)

 

 

Sarah:(このホリデイは子供を連れタスマニアへ旅行)
■ コメント:"Swimming pools are very common in hot climates such as Queensland. They are very popular amongst kids. I also enjoy coming home from work and cooling off in the pool as well as doing a bit of excercise in the mornings before breakfast."
(クイーンズランドのような熱帯では、家にプールがあるのは普通のことだわ。特に子供達には利用価値があるわね。私だって、仕事から帰るとプールに入って身体を落ち着かせるわ。もちろん朝食前にプールエクササイズもしてるわよ)

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■その35「あなたも作ってみる?自分の名前のナンバープレート」

2007年09月05日

 

▲AIM(EE)は’84年生まれ

 

 オーストラリアでは、車のナンバープレートが実に多彩で個性的である。日本と違って、比較的自由にデザインや識別記号を変えることができるからだ。

300ドル (2万5千円) 位から作れるので、お誕生日やちょっとした記念として作る人が多い。国旗や椰子の木、スマイリーフェイスなどの、かわいいイラスト付きのものもある。
プレートには数字だけではなくアルファベットも使えるので、自分の名前入りのナンバープレートを作ることもできる。

極めつけは、ネット用語さながらに、JOY4ME(joy for me) 、2FAST4U (too fast for you)、 2QIK (too quick)、ENVS(envious)などオリジナル略語を作ってしまう人。これは相当のカーマニアだ。

日本のナンバープレートは基本的に数字だけなので、あまりアソビはない。たまに「・・・1」なんていうナンバーを見ることもあるが、こういった番号を取得するのは、並大抵の事ではないと聞いた。
そんな訳だから、趣味でナンバープレートを換えることのできるオーストラリアは、ちょっぴりうらやましい。

私もつい最近ナンバープレートを換えた。ファッションで、と言いたいところだが、実は「やむを得ない事情」から。

ある日、車のキーをショッピングセンターで落としてしまった。そのキーには車のナンバーが記されていた。車を買ったときに付属していたキーホルダーをそのまま使っていたのだ。
スペアキーがあったので、気にせず使っていたのだが、ある日オージーの友人に話したところ「それはとんでもないこと。拾った人が悪い人だったら、簡単に 車を盗まれてしまう。一刻も早くナンバープレートを換えるべき」と言われた。

さあ大変、あわててクイーンズランド・トランスポート(交通局)に行ったら、その場で新しいプレートをくれるという。書類に必要事項を書き込むと「ドラ イバー(ねじ回し)持ってる?なかったらこれ貸してあげるわ。今のナンバプレートを外してこちらに持ってきて」とドライバーを渡された。

そんなの日本の教習所では習わなかった。
日本では「ナンバープレートは自分ではずしてはいけません」と教えていたはずだ。私が四苦八苦してプレートをはずそうとしていると、近くにいたおじさんが見かねてやってくれた。
一件落着。待つこと20分。晴れて私は新しいナンバープレートを手に入れたのだった。もちろん、取り付けは自分でやりましたヨ。

でも、こんなやり方なら、盗難車のナンバーのすげ替えも簡単なんだろうなあ。

 

Aimee:(アルバイト代は全て車につぎ込むというカーマニアの女子大生)
■コメント:"Personalised number plates are very popular in Australia nowadays. My mother bought me some for my birthday. You can have any kind of combination you like. I got my name and my birth year, There are many different types of styles and colours."
(個性的なナンバープレートにするのは、オーストラリアでは最近随分一般的になってきたわ。私の場合、母が誕生日にプレゼントしてくれたの。好きな組み合 わせができるから、私は名前と生まれ年を入れたわ。色々な形や色も選べるのよ)

 

Jay:(趣味はフィッシング。目下の悩みは彼女との遠距離恋愛)
■ コメント:"My girlfriend bought me number plates recently for a gift. She got me JPW80 which is my initials and my year of birth. They look great because they are red and match my car which is red as well."
(ボクの彼女が、最近プレゼントとしてナンバープレートをくれたよ。「JPW80」というナンバーだけど、これはボクのイニシャルと生まれ年なんだ。赤い 印字なんだけど、最高だよ。だって、車の色も赤だからずごくマッチしてるんだ)

 

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■その36「ヒーローは嫌い?」

2007年09月05日

 

▲観客の前を横切るイアン・ソープ

 

 オーストラリア人気質を紹介するとき、必ず登場するのは "Tall poppy syndrome" である。
皆が平等であるという考えに立った上で、目立つもの(tall poppy)を嫌い容赦なく切り落とす、という傾向のことを言う。
際立った富や名声、地位を築いた人に痛烈な批判を浴びせたり、コケおろしたりする。
これは、アメリカンドリームを成し遂げたヒーローに憧れるアメリカ人や、スーパーアイドルやヒーローを好む日本人とは、異なった心理状態かもしれない。

日本での若い女の子達の、ベッカムやイアン・ソープへのフィーバーぶりを報道で目にしたのとちょうど同じ頃、子供達の学校のプールで、イアン・ソープやグラン・ハケットが出場する試合が開催された。

有名選手を間近で見られるチャンスとばかりに、ミーハーな私はチケットを手に入れて会場に出かけて行った。
思ったとおり日本人の姿が多かったが、日本でのフィーバーぶりとは全く違う風景がそこにはあった。

イアン・ソープなどの有名な選手がコールされると、もちろん盛大な拍手が送られるものの、彼らに送られる声援は、ほかの無名な選手に対するものとたいした差がない。
私は最前列に座って観戦したのだが、彼にサインをせがんだり握手を求めたりする観客はいなかった。すぐ目の前の手の届くところを行ったり来たりしていたのに、である。

日本では、アイドルや有名なスポーツ選手を見つけると、すぐにファンが取り巻いてしまうので、立入禁止のロープが張ってあったりボディガードが待機したりするだろう。

試合の後、オージーの友人達に、イアン・ソープが日本でとても人気がある、という話をしたら、「彼はゲイという噂よ」とか「彼はスポーツ選手のくせに、 ブランド好きでさ」などと言ってコケおろす人が結構いて、日本での金メダリスト(それも、超ハンサム!)に対する反応と全く違うものを感じた。

また、友人の、ホッケーのナショナルチームのスタッフがこんな話をしてくれた。
彼女が選手達を率いてヨーロッパに遠征した時、ヨーロッパのファン達が有名選手をまるで神様のように扱うのを目の当たりにして驚いたという。オーストラ リアでは一度もなかった経験だったと。オーストラリア人はその才能や能力を尊敬はするが、だからといって特別視はしないのだ。

このような傾向は一般の人たちの間にもあるようだ。
ある女子高生が学校で友達を作りにくいという。というのは、両親が評判の金持ちで、おまけに彼女も美人で頭が良いからなのだ。
彼女自身は性格が良く控えめで、できるだけ目立たないようにしているのだが、まわりから何かと非難され嫉妬をかうという。

この話をしてくれたのは、彼女の親友なのだが、親が金持ちだと言う理由でいじめられるのはかわいそうだと話してくれた。余りにも飛びぬけて恵まれた彼女 は、ここでは非難の的となってしまう。日本だったら、学校中のアイドルになるかもしれないのに。

みんなが平等を好む国民性と同時に、際立って成功した人に対するある種の嫉妬と嫌悪感は見ていてとても面白い。

 

Dennis:(コカコーラのマネジャー。彼のユニークなコメントにはファンも多い)
■コメント:"People like Ian Thorpe are heros to us Aussies but we still know they are just people like everyone else. When Ian Thorpe goes to the toilet he does exactly the same thing as me! Australians like everyone to be equal so we don’t put people on pedestals like other countries do."
(イアン・ソープのような人達は、ボクたちオージーにとってのヒーローでもあるんだけど、それより以前に彼らも同じ人間なんだ、という気持ちなわけ。トイ レに行けば、ボクと同じことをするわけだし。オーストラリア人は、誰でもが平等だと考えているから、他の国の人がするように誰かを祭り上げたりはしないん だよ)

 

 

Cheryl:(仕事、家庭、趣味を両立させる肝っ玉母さん)
■ コメント:"The tall poppy thing definitely exists. It’s sad really, people just wait for them to do something wrong and then they pull them down over it."
("Tall poppy syndrome"は確かに存在するわね。悲しいことだけど、目立っている人が何か間違いをおかすのを待っていて、一旦そうなると、それ見たことか、と引きずりおろすのよ)

 

 

Cathy:(日本語教師。日本人留学生の強い見方)
■ コメント:"In Australia we love to see the ‘aussie battler’ come through and be sucessful. An Aussie battler is someone who has started at the bottom and worked very hard against the odds to be successful. We love to see those people do well but if they get too sucessful or arrogant, we love to chop them back down again. Another example of this is how Aussies always like to support the underdog. So for example if there is a weaker team who hasn’t been very sucessful, we like to support them because we don’t want to see the sucessful team win again."
(オーストラリア人は、’aussie battler’ が何とか頑張って成功するのを見るのが好きなの。’aussie battler’ というのは、底辺から出発して、必死になって勝ち上がっていく人のことをいうのよ。でも、人が成功するのを見ることは好きだけど、その人が成功したあと に、反対に傲慢になったりすると、今度は逆に引きずりおろそうとするの。オージーが ‘underdog’ を応援するのも、ある意味では同じことかもしれないわ。強いチームが繰り返し勝つのを見るよりは、弱いチームに頑張って欲しいと思うのよ)


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■その37「入試がない!私立学校」

2007年09月05日

 

▲みんなのびのび!

 

 こちらの学校は、たとえ私立学校でも、入学試験がない。つまり、入学金と授業料さえ払えば、入学を許可されるのである。
もちろん超人気学校は、お腹に赤ちゃんが出来たときから予約をしておかないと入れない、という話であるが、いずれにしろ申し込みさえすれば、入学できるのである。

日本のように過酷な受験戦争があり、塾通いの末やっと希望校に入学できた、というようなものではないので、親も子供も学校を換えることに全く抵抗がない。
生まれる前から予約していた有名校でも、子供に合わない、と思ったら、さっさと辞めてしまうのである。

「ジェニーカは、来学期から○○学校に行くんだって。ここのクラスが嫌いだから」とか「○○先生とお母さんが喧嘩したから、来週から別の学校に行くんだって」という話は子供からよく聞く。

私の友人は、担任がクラスの掲示板に「長所 (good side)」と「短所 (bad side)」の表を作り、自分の子がbad sideのポイントが高くなったので、担任の教師だけではなく校長にまで文句を言いに行った。結局、主張を認めてくれなかったので、学校を換えてしまっ た。

子供達も教師もそういうことに慣れていて、日本ほど自分の学校や仲良しの友達に執着しないようだ。もちろん、転校するからといってお別れ会をしたりすることもない。初めは驚いたが、今ではその良さを感じている。

日本では、折角入った学校だからということで、問題があっても何とか我慢しようとする。いじめられても、他の学校に移るにはまた転入試験を受けなくてはいけないし、希望の学校に空きがあるかどうかも問題だ。
ここでは、いじめの問題自体が起きにくい。いじめがないわけではないが、いじめがあると地元紙に載るくらいに稀なことだ。
いじめがあれば、親はさっさと学校を換える。親の教育方針に合わなくても同様。生徒の出入りがはげしいので、1年生や8年生などの新入学時を除けば、有 名校でも空きがあることが多い。また、一度辞めて他の学校に移っても、新学期にはまた同じ学校に戻ってくることもある。

日本もこのように柔軟性のある学校制度だったら、親も子もストレスがなくなって、教育現場で起こっている様々な問題も緩和されると思うのだが。

 

 

Niel:(日本の中学、高校で教鞭をとった経験を持つ我が家の大家さん)
■ コメント:"It’s difficult to say which system is better. In Japan the students might be more motivated to do well because schools have high expectations of them. Australian students don’t have to worry about taking entrance exams so they are much more relaxed. Maybe this is better because they don’t have a lot of pressure on them to acheive, but then again they may not acheive as much as Japanese students because they aren’t pushed."
(日豪どちらの教育制度が良いか、というのは一概に決められないよ。日本では、有名校 に入ろうとして子供達は頑張るだろ。オーストラリアでは、入試の心配がないから、気を抜いてしまっている。たぶん、過大なプレッシャーを受けないと言う意 味では、良いことなんだろうけど、そうやって背中を押されないから日本の子供達よりは勉強しないよね)

 

 

Jose:(オランダ出身。先日晴れてオーストラリア国籍を取得)
■ コメント:"I think that the Japanese system has some advantages. Here in Australia many kids go to private schools because their parents have money. These kids are not necessarily well behaved or studious, so we get a big mixture of kids at some schools."
(私は、日本の教育制度の方が良いと思うわ。オースト ラリアでは、親にお金があるというだけで、私立学校に入ってくる子が多いのよ。そのなかには、あまり生活態度も良くないし勉強もできない子もいる。つま り、ひとつの学校に色々なレベルの子供が混じってしまっている、というのが問題だと思うわ)

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■その38「スポーツ王国」

2007年09月05日

 

▲ラグビーの対抗試合で激を飛ばす先生

 

 広大な土地、豊かな自然、温暖な気候に恵まれたオーストラリアでは、4人に1人が何らかのスポーツを楽しんでいるという。
まさにスポーツ王国である。
週末ともなると、いたるところで、ラグビー、クリケット、ホッケー、サッカー、バスケット、テニスなどを楽しむ姿が見られるし、家族連れで試合の観戦に行くことも多い。
休日には、ボランティアでコーチや審判をしたり、所属するチームの遠征のために遠くの町へ出かけていく人もいる。

学校の放課後のお稽古事も、水泳、サッカー、テニスなどのスポーツが主流で、勉強に関するものはほとんどない。
「私のパート代は全て子供のスポーツに消えていくわ」と苦笑いしていた友人がいたが、パート代が塾の費用に消えていく日本のお母さんと同じような悩みである。

その他にも、多民族国家を反映して、ヨガ、空手、柔道、テコンドーなどのスポーツが日本以上に盛んだ。そして、スポーツは楽しむものという意識が強いた めか、ひとつのスポーツに固執することもなく、たいてい2〜3種類くらいの違ったスポーツを楽しんでいる。

スポーツの教え方も、日本のそれとはだいぶ異なっている。
うちの子供達にはテニスを習わせているのだが、最初から試合形式での練習だった。初めてのレッスンで、フォアハンド、バックハンド、サーブ、ボレーなど を一通り全部教え、その後は習熟度によって組む相手を変えながら試合をさせる。
フォアハンドを一ヶ月、バックハンドを一ヶ月、3ヶ月のクールの終わりに初めて試合をさせる、というような日本のテニス教室とは随分違う。子供達は未熟 ながらもテニスの楽しさを早くから知ることとなり、その後の伸びもとても早かった。

また、これだけスポーツが盛んな国だけに、子供のスポーツの才能を伸ばすために家族ぐるみで良い環境を求めて転居してしまうこともある。
私の友人も息子がその才能を認められ、有名なテニスアカデミーに通うことになった。父親のビジネスを簡単に辞めるわけにはいかないので、母親と子供達だけが引越してしまった。家族の犠牲は大きい。

日本でいう「人間国宝」にもスポーツ選手が選ばれることが度々ある。スポーツが盛んなオーストラリアを象徴しているようだ。

 

 

Doug:(ガーデニングと鳥の世話が趣味の近所の優しいおじいさん)
■コメント:"The majority of aussie kids play sport. It’s part of the Australian culture and we think that it is a very important aspect in our culture. It’s very acceptable for kids, both boys and girls to play sport. Team sport teaches them to be responsible for themselves and to cooperate with team members as well as be competitive."
(オージーの子供達は、ほとんどがスポーツを楽しんでいると思うよ。スポーツはオーストラリア文化の重要な要素だよ。それに、男の子でも女の子でも楽しむ ことが出来るよね。団体競技では競い合うことだけではなくて、責任を持って皆で協力することの素晴らしさを学ぶことができるんだ)

 

 

Cheryl:(ホッケーのチームナースとして、世界中を飛び回る3男の母)
■ コメント:"If kids want to play representative sport then the whole family has to make sacrifices. Sometimes this means moving to capital cities because that is where sport is played at really competitive levels. I remember when my children were playing sport it cost us $7000 or more a year to fly them to games around the country. But it’s good because they has made many friends all over Australia through playing sport, so it’s a worthwhile sacrifice."
(もし、子供がメジャーなスポーツをやることになったら、家族の犠牲が必要になるわ。そのスポーツのレベルの高い町に行かなくてはいけないこともあるだろ うし。私の子供達の場合、全国を飛行機で回ったりしたから、一年に7000ドル以上かかったこともあったわ。まあでも、スポーツを通して全国に友達が出来 たわけだし、犠牲になったとは思っていないけどね)


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■その39「自分にお金をかけよう」

2007年09月05日

 

▲みんなやってる歯の矯正

 

 出産してまだ3ヶ月の友人がある日、「今日は私の誕生日なの。主人がエステの券をプレゼントしてくれたから、これから子供を主人に預けて行って来るわ」と嬉しそうに外出した。
日本ではご主人から奥さんへのプレゼントにエステサロンの券というのはあまり聞かないが、こちらではよくある事だという。
母の日やバレンタインのプレゼント用に、とTVコマーシャルで盛んにエステの宣伝をしているし、「最近ちょっと肌が荒れているわ。エステでも行こうかし ら」という感覚で、年齢を問わずちょくちょく足を運んでいる。こちらには美容室と同じくらいの数のエステサロンがあるのではないだろうか。

こちらに長く暮らしている日本人の友達が、「日本人は高い洋服やブランド物の鞄やアクセサリーなどを身につけて表面を飾るのが好きだけど、こちらの人はどちらかというと自分自身にお金をかける方が好きだと思うわ」と話してくれた。
オージーの友達に聞いてみても、「高いブランド品を買うお金があったら、自分がリラックスしてリフレッシュできるエステの方がいいわ」という答えが多かった。

男女(夫婦)関係の文化的な違いも根底にあるようだ。
オージー男性は、奥さん(恋人)にいつまでもきれいでいてほしいという意識が強く、ファッションにも関心が深い。そして、それをストレートに口にする。
外出の時には「○○の服が似合うから、それを着ていったら」とか「今日の髪型はいいね」など、古いタイプの日本人男性が聞くと顔をしかめそうな発言も多い。
奥さんの方も、「旦那や家族のためにもきれいでいなくっちゃ」と思っている。そうして、堂々と(?)エステ通いをするのである。

日本では、旦那のためにきれいでありたいと考えている奥さんや、きれいでいてくれるためならと喜んでエステに送り出してくれるご主人は、少数派なのでは ないだろうか。エステ通いが好きでも、旦那には内緒にしている場合も多いと聞く。

歯の矯正も盛んである。親は、子供の小さい頃から歯並びにとても気を使い、少々お金がかかっても矯正する。欧米社会では歯並びは、重要な身だしなみのひとつなのだ。
大人になってからは、歯のホワイトニングにお金をかける。日本で英語の教師をしていたオージーの男性が、「日本人はファッションにすごくお金をかけるの に、歯並びが悪かったり黄色い歯でも平気なのが理解できない」と言っていた。

ブランドと自分、どちらにお金をかけるのが正解なのかな?

 

 

Aimee:(つい最近真っ赤なスポーツカーをボーイフレンドから購入。ディスカウントは全くなし。オージーは恋人同士でもお金にシビア!)
■ コメント:"Australian women, like Japanese women, take pride in their appearance. They love to take care of themselves and have regular beauty treatments. However I think that aussie women mainly visit beauty salons to relax and feel happy and healty, that’s more important to them than looking good. Most women I know would rather spend the money on pampering themselves than on buying designer clothes or accessories. Aussie people also love to have nice looking, healthy teeth. So many parents get their kids braces to straighten their teeth. If person has nice white teeth then they are more accepted by society and employers. Aussies definately take their teeth very seriously."
(オー ストラリアの女性は、もちろん日本の女性もそうでしょうけど、自分の容姿に誇りを持っているの。自分のことに気を使うのは好きだし、毎日のお手入れはかか さないわ。でも、エステサロンに通うのは、どちらかというと、外見のためというより、リラックスして幸せな気持ちになれるからだと思うわ。私の周りの女性 達は、ブランドの服やアクセサリーを買うのではなくて、自分にお金をかけているわね。健康できれいな歯並びも大事にするわ。子供に歯の矯正を受けさせる親 はとても多いのよ。真っ白ですてきな歯並びなら、周囲の人に好ましく思われるし、就職だって有利だわ。オージーは、歯並びのことをとても大事に思っている のは確かよ)

 

 

Dorota:(ブランド物もエステも両方大好き!日本に行くお金が貯まらないのも無理はない?)
■ コメント:"Of course Aussie women would love to buy designer clothes but we think that inner-health and having natural beauty is much more important than a brand label. We love to feel good about ourselves and having a nice set of teeth is very important as well."
(もちろん、オージーの女性だって、デザイナーブランドの洋服を買うことは大好きよ。でも、中身の健康さや自然な美しさの方がブランドよりもずっと大切だと思っているの。自分が輝いていると感じていたいのよ。もちろん、歯並びの良さもとても大事なことね)

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■その40「あなたも応募してみる?ケアンズショーのケーキコンテスト」

2007年09月05日

 

▲すべて"応募作品"

 

 一年に一回開かれるケアンズショー。ほとんどの子供達は、屋台のゲームや遊園地を回って楽しむのだが、疲れた親(私!)は市民による絵画、手芸作品、クラフトなどが展示されているセクションに足を運んだ。

そこで目を引いたのが、ショーケースに所狭しと並べられた、ケーキ、ビスケット、お菓子の山。ショーと同時開催で市民によるコンテストが開かれているのだ。

もちろん、ため息の出るような豪華なウエディングケーキ、バースデーケーキなどもあるが、ただの(ごめんなさい!)ホットケーキ、ビスケット、マフィンなども堂々と展示されている。

それにしても、ホットケーキ(こちらではパイクレットと呼ぶ)など、どれも見た目は全く同じ。どうやって審査するのだろう?と真剣に悩んでしまった。

「お料理コンテストなんてとても・・・」と言っているあなた!これなら気軽に応募出来るでしょう?

 

Sherri:(現在Year 3の担任。仕事と家事を両方こなすパワフルお母さん)
■ コメント:"My grandmother entered her cake in the Cairns Show cake competition 60 years ago and it won 1st prize. So she decided to make a living selling her prize winning sponge cakes."
(私の祖母は60年前にこのコンテストに応募して、1等になったの。それから彼女は、受賞したスポンジケーキを売るようになったのよ)

 

 

Sharon:(現在腰痛で通院中。早く元気になりますように)
■コメント:"I put some piklets in the Cairns Show Compeition once but I didn’t win. So I haven’t entered anything since!"
(私もパイクレットをコンテストに出したことがあるけど、賞はもらえなかった。それ以来、応募なんてしてないわ!)

 

 

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■その41「学校は楽しむところ?」

2007年09月05日

 

▲ハリー・ポッターからエジプト王まで一堂に(ブックウイーク)

 

 オーストラリアの学校は、日本と比べて、遊びの要素がたくさんあるようだ。学校が大好きな子供達も多く、「ホリデイはつまらない、学校に行った方が楽しいのに」といった、日本の子供には聞かれなくなった発言もよく耳にする。

主な学校行事を挙げてみよう。

スポーツデー(体育際)
スイミングカーニバル(水泳記録会)
アートフェスティバル(美術展覧会)

オータムフエアー(文化祭)
このあたりは、日本とあまり変わらないが、独特なものもある。

タレントリクエスト
自分の特技、ダンス、歌、、楽器演奏、などをみんなの前で披露する。

ケアデイ
ガンの人を助ける募金活動の一環で、学校で髪の毛をスプレーで染めたり、女の子が丸坊主にしてしっまたりする。

マッドハットデイ
好きな帽子をかぶってくる、植木鉢をかぶってくる子もいる。

マッドヘアデイ
自由な髪型にして、登校。ムースでガチガチに固めてもOK。

フリードレスデイ
撮影自由な服装で登校する。

ブックウイーク
本に出てくるキャラクターに変身してくる。

ファッションパレード
学校が主催するファッションショー。生徒がモデルになる。

スレーブオークション
上級生が下級生の奴隷になる。そのための競りをする。etc…

日本と比べるとユニークなイベントが多い。その他、ソーシャル(記事その25参照。学校がディスコパーティーを主催)などもある。

いずれにしても、「学校は勉強をするだけじゃないよ。楽しんで過ごそうよ」という理念が感じられる。そして先生達も生徒と一緒に盛り上がる。

日本の学校も、もっと遊び心を加えれば、生徒の心を惹きつけることが出来るのに。

 

Sarah:(次回のホリデイは子供を連れてドンキー(ろば)キャンプに参加)
■ コメント:"A lot of schools have things like mad hair days and free dress days. The children have to bring along a gold coin for charity for not wearing their uniform. Apart from raising money for charity, the children enjoy these things and it makes them happy to go to school."
(学 校行事としてマッドヘアデイやフリードレスデイをしている学校は多いわよ。制服を着なくていい、というだけではなくて、チャリティーとして1〜2ドルの寄 付をするの。もちろん、多少のお金を寄付することになっても、子供達はこういうことを楽しんでいるし、学校に行くのも楽しくなるわ)

 

 

Aimee:(ただいま小学校の教育実習中。いたずらなオージーに毎日孤軍奮闘)
■ コメント:"In Australia the schools not only focus on study and learning but they also try to make it enjoyable and fun for kids to come to school. I used to love going to school socials and having theme days like ‘jeans day’ and ‘free dress day’. I think that these kinds of events keep kids motivated when they have something to look forward to."
(オーストラリアの学校は、ただ勉強をするだけではなくて、楽しく勉強できるように、そして子供達が喜んで通学するようになるように、努力しているわ。私も、ソーシャルの日に学校に行くのは楽しみだったし、ジーンズデイやフリードレスデイもそうだった。こういうイベントは、子供達の、何か楽しいことをしたいなあ、という気持ちに応える行事だと思うわ)

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■その42「謝らないオーストラリア人」

2007年09月05日

 

▲良い人たちなんだけど、、、"Sorry"の一言が欲しかった引越し屋さん

 

 西洋社会で暮らすとき "I am sorry."を安易に口にしてはいけない、とはハウツー本でよく見かける表現だ。一言「ごめんなさい」と相手に言ってしまうと、たとえこちらに非がなくとも、訴訟になったときに不利になるとか。

逆に、日本では「ごめんなさい」と言うことは、物事を円滑に進ませるための、一種の生活の知恵である。
サービス業の就職面接では「たとえ自分に非がなくても、申し訳ありません、と言えますか?」と質問されることもある。
もっとも、最近では日本も欧米型社会に近づいてきたのかもしれない。あまり心のこもった「ごめんなさい」は聞かれなくなった。

オーストラリアは、訴訟社会といわれるアメリカほど、日常生活で訴訟が多いわけではないと思うが、"I am sorry."を聞くことは至難の業だ。

 

ある業者に引っ越しを頼んだ時のこと、作業が全部終わり業者 が帰ってから、荷物が1箱ないことに気づいた。慌てて電話すると、「そんなはずはない。全部運んだ。トラックには何も残っていない」という。もちろん何度 探しても見つからない。家族全員の靴を詰めた箱だったので困り果てた。
すると、翌日電話があり、「箱が見つかったから今から持っていく」。
電話で応対した担当者も、荷物を持ってきた人からも"Sorry"は聞かれず、「他の荷物に紛れてしまった」と言い訳するだけ。オイオイ、トラックには何もなかったのでは、と言いたくなった。

娘のクラリネットを注文したときの対応には、怒りを通り越して呆れてしまった。
最初品物は2〜3週間で届くと言われた。しかし1ヶ月しても連絡がないので電話してみると、「現物が店にないので2ヶ月後になるかもしれない」という。 しかも最初の見積もりの値段よりかなり上がるというおまけつき。
「他の店で買ってもよかったが、学校からも家からも近いので、そちらでわざわざ注文し、しかも1ヶ月も待ったのに」と文句を言うと、"Thank you for thinking of us.(私たちの店を選んでくれて、ありがとう)"だって!そんなふうに感謝されても意味ありません。こちらは「申し訳ありませんでした」の一言が聞きた いの!

面白いことに、実は "Sorry" は、会話の中でしばしば聞くことのできる単語である。相手の言葉が聞き取れなかったとき、"Pardon?"が正式な表現だが、カジュアルには "Sorry?" である。私など発音が悪いので"Sorry?"は一日に何十回も言われてしまう。でも、私が聞きたいのは疑問符の付かない、"I am sorry."なのだけど。

 

Aimee:(日本のお好み焼きが大好物!ただいま料理の特訓中)
■ コメント:"When I used to work at the local theater, we were told on orientation day that we are never to apologise to patrons if they hurt themselves within the building, We could only say ‘Are you ok ?’ because if we say ‘Sorry’ we are admitting that the company is at fault and the patron could sue. I found it very hard because it’s natural to apologise if a door or seat is broken. It’s sad that we have become so afraid of legal action like America."
(アルバイトで映画館に勤めたことがあるのだけれど、最初の説明会 の時に、お客さんが館内でケガをしても決して謝ってはいけない、と教えられたわ。声をかけるとしたら「大丈夫ですか?」とだけ。「ごめんなさい」と言って しまうと、会社の過失を認めたことになり、お客さんが訴訟を起こすこともあるから、と言う説明だった。でも、それはとても難しいわ。だって、扉やイスが壊 れていたためにケガをしたなら、謝るのは当然のことでしょ。アメリカのように、訴訟を起こされることにビクビクするのは、とても悲しいことだと思うわ)

 

 

Trevor:(目下の趣味は息子や仲間とのサイクリング)
■ コメント:"We only usually say sorry when we really mean it. For example if something bad has happened and we are genuinly sorry. It’s not in our culture to apologise very frequently. Young people especially, you wouldn’t often hear them apologise in a shop or something like that."
(ボクたちが"sorry"と言うのは、本当に謝るときだけだよ。何か悪いことをしたら、当然謝るよ。でも、何でもすぐに謝るわけじゃない。若い人は特に そうだね。若い店員から謝罪の言葉を聞くことは、あまりないと思うよ)


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■その43「図書館でボードゲーム」

2007年09月05日

 

▲ここはどこ?

 

 こちらに来てから図書館を随分利用するようになった。隣の人との間にしきりがある勉強机、雑誌や新聞をゆったりと広げて見ることのできるソファー、そして本をたくさん拡げて調べ物の出来る大きなテーブル。
そして何より嬉しいのは、日本の図書館のように「調べもの以外に机を使用するのはご遠慮下さい」と書いてある張り紙がないことである。

学生の頃、近くの図書館で勉強しようと思っても、自習室はすぐに満杯になり、仕方がないので閲覧室の机を利用したことがあった。しかし、目の前にある張 り紙の文句が気になって、ゆっくりと勉強できなかったことを覚えている。

 

オーストラリアの図書館は、そんな制限はなく、さらにサービス満点である。広々としたテーブルでは、何をしても構わないし、近くのコンセントにアダプターを繋いでコンピューターを使い仕事をしている人も多い。

ある時、ボードゲームをしている人を見かけたので、怒られないのかとハラハラしていると、ゲームが終わってカウンターにボードを返しに行っていた。そし て、また別のトランプやチェスを借りて、ゲームが始まるのである。
日本の図書館の机でゲームをしていたら、即刻注意を受けるだろうが、こちらでは図書館がゲームを貸してくれるのだ。

日本では地方の図書館は比較的空いているが、都会では利用する人も多く、なかなかひとりひとりに十分なスペースはとれない。ゆったりと誰の目も気にせ ず、くつろげる図書館。こんな所にもオーストラリアの心の余裕が感じられる。

 

 

Aimee:(大学の試験が終わり、ほっと一息。これからはバイト三昧)
■ コメント:"I love the libraries in Australia! You can borrow videos and children’s tapes as well as normal books. They are also a great place to go and relax or study. The libraries encourage people to stay and use the facilities and resources. There are big comfy chairs and even areas for children to play while parents read or look for books."
(オー ストラリアの図書館は大好き!本だけではなくてビデオや子供用テープも借りられるし。とてもリラックスできるし勉強もできるわ。利用者がゆっくりできるよ うに色々な設備も用意してあるの。大きくて快適なイスもあるし、親が本を選んでいる間子供が遊ぶためのエリアもあるのよ)

 

 

Cathy:(高校の熱血教師。熱心なクリスチャンで、趣味は青少年のキャンプ引率)
■ コメント:"Probably the library I have used the most would be the university library. I would go there in between lectures and print things and prepare assignments. There ware rows of cubicles to study in. They were little booths that had walls at each side and they were great because it was very private and quiet."
(一番利用した図書館は、大学の図書館ね。講義の間に行って、印刷をしたり、宿題の準備をしたりしたわ。勉強をするための小さなスペースがあって、そこは両側に仕切りがあるブースになっているの。プライベートが保てるし静かだし、最高だったわ)


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■その44「大人っぽく見せたいオージー vs 子供っぽく見せたい日本人」

2007年09月05日

 

▲高校生に見える?

 

 私達の年代になると、日本人に生まれて感謝したくなることがある。それは、実年齢よりも若く見られること。中学生の子供がいる私も20代に間違われて、ニンマリすることもしばしば。
それはそれでとても嬉しいのだが、見かけはともかく、精神的にはちゃんと実年齢に見合った成長をしているのだろうか。

私が大人かどうかはこの際触れない(?)として、日本人の若い子たちは肉体的にも精神的にも、オージーと比べてずっと幼い気がする。そして、本人たちは自らそう望んでいるようにも見えるのだ。

 

先日、日本で英語教師をしていて、一時帰国したオージーの友人から面白い話を聞いた。
「日本人の若い子たちは、いつまでも子供のままでいたい、幼く可愛く見られたいという気持ちが強いようだ」と。

彼が偶然町で自分の生徒たちを見かけた。かわいい女子大生なのだが、町で見かけた彼女たちは高校生の制服を着ていたのだ。実際の制服ではなく制服ふうの オシャレなのだとは思うが、理由を聞いてみると、高校生ふうにしていた方が若く見られて得だからだ、という。

オーストラリアの子供たちは、早く大人の仲間入りをしたい、という気持ちが強い。そのため、大人っぽく振る舞うのが好きだ。
ティーンエイジャーともなると、さらにその気持ちが強くなる。成熟した独立心ある大人に見られることを期待して、お化粧したり少し大人っぽい服を着たりして、「大人なのよ」とアピールする。

"You look mature.(大人っぽく見えるね)"
と言われるのが一番の誉め言葉。学校の制服なんて早く脱ぎたいと常々思っている。
そんな訳だから、もともと若く見られる日本人が、なぜより幼く見られようとするのか、理解できないようだ。

今の日本の若い世代は、親の庇護の下に生活することを恥とは思わないし、むしろ親から独立した大人になることをイヤがっているようにも見える。親も社会もそれを許してしまっているようだ。
一方、オーストラリアの親たちは、早く子供が一人前になり家を出ていくことを望んでいる。

私の友人は、2人の息子が独立して家を出たとたん「ヤッター!」とばかりに家を売り、キャンピングカーでオーストラリア全土を回る旅に出た。子供たちに 対する親の態度も、両国の若者たちの差に一役買っているのかもしれない。

 

Aimee:(ホリディには必ずおばあちゃんの家を訪ねる心優しい女子大生)
■ コメント:"I think that most Australian youth like to look mature. I know if I were going to a job interview I would try to look as mature and serious as possible. I think that people are more likely to take you seriously if you appear older and more sensible."
(オーストラリアでは、ほとんどの若者 が、大人に見られたい、と思っているわ。たとえば私の場合、就職面接を受けに行くときは、ちゃんとした大人でかつ誠実であるように見えるようにするわ。ま あまあの年齢でちゃんと分別があるように見えれば、誠実な人だと思ってくれるでしょ)

 

 

Michelle:(愛娘は1歳半。現在エーカーハウスの新居を建築中)
■ コメント:"Most Australian women appear to look a lot older than they actually are as they dress to impress when they go out to a nightspot or dinner. The men do not tend to care too much about looking older, they just usually go out as they are."
(オーストラリアの女性は、着飾って出かけるときにはなるべく年上に見られたいと思っているわね。ナイトスポットやディナーに出かけるときは特にね。でも、男性はそんなことないわ。年上に見られたいとも特に思っていないし、外出するときもありのままだわ)



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■その45「家々を回って募金活動、ラッフルチケット買いませんか?」

2007年09月05日

 

▲小さいころからボランティア

 

 日本で募金活動というと、ボーイスカウトや慈善団体が人通りの多い街頭に立って行うのが一般的だ。こちらでは子供達が個別に家々を回ってお金を集めることが多い。

訪ねた家でチョコレートを買ってもらい、その儲けを寄付したり、ラッフルチケットと呼ばれる券を買ってもらう。これは、一種の宝くじのようなもので、当 選すれば後で商品をもらえる。ラッフルチケットの販売は、チャリティーに限らず学校のイベントやお祭りでも見られる風景だ。

こうした子供達による募金活動は、結構頻繁に行われているので、玄関の近くに小銭を用意しておく家もある。ただ、自分がキャンプに行く費用を稼ぐという目的で回ってくることもあるので、注意も必要だ。

うちの息子も、学校主催によるガン患者のための募金活動で、近所を回った。
「エライわね」と言ってお金を奮発してくれる家もあれば、ドアを開けるなり「Go away.(あっちへ行け)」と門前払いする家もあったようだ。
ひどいことを言われて断られた家の子供が、以前うちに来てラッフルチケットを買ってあげていたので、「こんどその子が来たときは、絶対に買わないで!」と息子に言われた。

さて、どうしたものか。この募金活動では、休みの日まで返上して頑張り、結局150ドル集めたという子もいたようだ。その話に感心していると、実はご褒 美が目当てだったとか。100ドル以上集めると、ボールや縄跳びなどをもらえたらしい。

いずれにしても、子供達が家々を回って募金活動ができる、というのは地域が安全な証拠だ。また動機は様々かもしれないが、小さい頃から苦労してお金を集めるというのも、貴重な経験のひとつだと思う。

 

 

Luke:(妹思いのYear 8。募金活動はお手のもの?)
■コメント:"I did the Cancer Door knock Appeal recently and it was very interesting to see how much people cared about helping people with cancer. I thought it was funny the way my sister barged through the door and asked people for donations."
(ボクも最近ガン患者のための募金活動をしたよ。多くの人がガン患者のことを思いやっていることを知って、とても嬉しかった。でも、妹が近所を回って寄付を頼んでいる姿はおかしかったなあ)

 

 

Janie:(台湾出身。中学生の時に移住。TAFEで中国語を教える)
■コメント:"Australian kids have been taught that if they want something they have to go out and earn it by themselves. Asian kids are used to asking their parents to get them something instead of being told they have to earn it. So that’s why Aussie kids love to go out selling raffle tickets, they have been trained to ask for help and be independent. They enjoy it."
(オーストラリアの子供は、欲しいものがあるときには自分で汗をかいて稼ぎなさい、と教えられているのよ。アジアの子供達は、そうではなくて、すぐに親に ねだってしまうわね。それでオージーの子供達はラッフルチケットを売り歩くのだし、人にものを頼んだり自分で物事を解決していくという練習にもなるわけ よ。喜んでやっているとおもうわ)

 

 

Edna:(私のオーストラリアマザー。つい先日ご主人を亡くす。ご冥福をお祈りします)
■ コメント:"Even in the old days if one of our kids bought some raffle tickets home to sell, we would buy them. I didn’t like the idea of them going to strangers houses."
(ずっと昔、私の子供が小さかった頃でさえ、もし子供がラッフルチケットを持ち帰ってきたら、母親の私が全部買ってしまったと思うわ。だって、そのために 子供が知らない人の家を回るなんて、私はイヤだわ)

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■その46「外で遊ぶの大好き」

2007年09月05日

 

▲ハダシで走り回るケアンズっ子

 

 こちらの子供達は外で遊ぶのが大好きだ。日本のように家で友達とファミコン三昧というのはほとんどない。たとえファミコンをやっていても、1時間もするとじっとしていられなくなるらしく外に出る。

家の庭でサッカー、クリケット、ラグビー、スケボーなどをして思いっきり身体を動かす。ケアンズでは裸足で遊ぶことが多いので、親としては怪我をしない か、とハラハラしてしまうが、少々血が出ても気にする子はほとんどいない。プールで遊ばせると2、3時間は騒いでいる。

 

それにしても男の子達の遊び方は半端じゃない。息子の誕生日会に仲良しの友達7人を招待した時のこと。
息子はみんなの遊びに付き合うだけでヘトヘトになってしまった。高いところからプールにジャンプして飛び込む、フリスビーを屋根にのっけては平気で屋根 に上って取りに行く、家のマンダリン(みかん)を使ってクリケットをする。実にやることがパワフルだ。
お開きの際にはお母さん方から"Are you survived ?(無事生き残れた?)"と聞かれてしまった。

親のほうも、特に男の子は力が有り余っているので、外で出来るだけ遊ばせて力を発散させ、早く寝てもらうのが一番、と思っている人が多い。
ヘトヘトになった子供達の就寝時間は8〜9時。その代わり朝は早い。6時には起きて、犬の散歩をしたり、テニスや水泳でひと汗かいてから学校へ出発という子もいる。実に健康的な生活だ。

息子に来たメールの送信時間をチェックすると、やはり朝の7〜8時という時間。学校に行く前にメールを書いたりチェックしたりしている。宵っ張りの朝寝 坊が多い日本の子供達には、学校に行く前にスポーツをしたりメールを出す余裕などないだろう。

オージーの子供達の体力にはしばしば驚かされるが、その秘訣のひとつは小さい頃からの早寝早起きにあるのかもしれない。

 

Josh:(やんちゃ坊主。趣味はスケボーと自転車)
■ コメント:"When I’m at my friend’s house we usually play rugby in the yard or go skateboarding. Sometimes we play playstation but we like to play outside more because it’s better."
(友達の家に行ったときには、庭でラグビーをしたりスケートボードをしたりするよ。プレーステーションをすることもあるけど、外で遊ぶ方が好きだしその方が良いでしょ)

 

 

Caren:(Year 10。お誕生日プレゼントは馬一頭!)
■ コメント:"When I play outside I like to horseride, go swimming and play touch with my friends. I like to play outside better than inside because there are more things to do and it is better exercise."
(外で遊ぶときには、乗馬をしたり水泳をしたり友達とタッチボールをするわ。家の中で遊ぶより外で遊ぶ方が好き。外の方が色々やることがあるし、身体のためにもなるでしょ)

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■その47「慣れてしまえば心地よいハグ(抱擁)」

2007年09月05日

 

▲父はニタニタ

 
 

▲母はニコニコ

 

「じゃあね、お父さん」
マリカが別れ際、はげ頭のお父さんの額に思いっきりブチュとキスしてハグ(抱擁)する姿に、私と娘は思わずドキッとしてしまった。
外国映画でよく見かける親子や友達同士の抱き合うシーン、そして挨拶代わりのキスを目の当たりにすると、人生経験豊富な?私でも最初はドギマギしたものだ。

しかし、こういった姿に慣れてくると、逆に、気軽に抱き合いキスすることが羨ましくなり、ついに「うちの子はどうしてしてくれないの?」と疑問を持つようになった。
日本では、中高生が親とキスしたり抱き合ったりしたら、まわりの人達から気持ち悪がられるのが関の山だ。でも、ここはオーストラリア。やっちゃえ、とい やがる子供達をそそのかし、今では、我が家でも家のなかでは自然に出来るようになった。さすがに、人前では、まだ未経験。
しかし、中学生の娘は、キャンプや学校に行く前に「ママ、愛しているよ!」なんて、日本で聞いたらむず痒くなってしまうような事も平気で言うようになった。

 

昔風の家に育った私は、そんな言葉を両親に対して口にしたこともなければ、キスやハグなど考えられないことだった。父と初めて手を組んだのは私の結婚式の入場行進が最初で最後。でも、だんだん慣れてくると家族の間でのハグはとても心地良い。

「小さい子にはスキンシップが大切」という育児書の常套文句も、決して「小さい子」だけのためではない。大きくなってからだって、とても大事だと思う。私 は子供達をギュッとハグするだけで、心が通じ合ったような幸せな気分になれる。これは友達同士でも同じこと。
最近になってやっと仲良くなったオージーと男女を問わず自然にハグできるようになったが、それだけでもお互いの関係が近くなる気がする。

私の場合、オージーの友人には助けてもらうことが多いので、「ありがとう」の意味でハグする事が多いが、もちろん「さよなら」だって「今日は楽しかっ た」だって良いと思う。最初は少し照れてしまうが、慣れればこれほど暖かい気持ちになれることはない。

今、日本では親子関係が希薄になっている。さすがにキスは難しいかもしれないが、ハグを気軽に出来るようになれば、もっと親子の絆が深まるのではないだろうか。

 

 

Wendy:(イギリス出身。2児の母。趣味は陶芸)
■ コメント:"My children are getting older now so they are a bit embarrassed to give me a kiss and hug in front of their friends. I think it’s just a stage they go through for a few years. So instead of my kissing and hugging them I have to just blow them a kiss instead. I’m not allowed to yell out ‘bye sweetheart’ or anything like that anymore either."
(ウチの子供達はもうだいぶ大きくなったから、友達の前で私にキスしたりハグしたりするのは、少し気恥ずかしいみたい。でも、過渡期の数年間のことだと思うわ。だから、今はキスやハグのかわりに投げキスにしているわ。「いってらっしゃい、愛する子供達」とも言えないのよ)

 

 

Aimee:(大学の試験の結果が「D」。がっかりしたら、Distinction の「D」だったので大喜び!)
■ コメント:"I love being hugged by Mum. It’s very comforting if I’m upset. We kiss each other goodnight, and if we are walking somewhere together, I’ll hold her hand. Our family has always been very affectionate towards each other."
(ママとハグするのは大好き。悲しいときなんか、すぐに気持ちが楽になるわ。おやすみのキスも忘れないし、一緒に散歩をするときは手を繋いでいるわ。私達家族はいつもお互いを思い合っているの)


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■その48「アイドルって?」

2007年09月05日

 

▲「いとしのシャノンさま」
by 15才 女子高生

 

 最近若い人たちの間で「オーストラリアン・アイドル」というTV番組が大人気だ。
アメリカで放送された「アメリカン・アイドル」のコピーだが、最初のアイデアは日本の「スター誕生」やホリプロ「タレント・スカウト・キャラバン」、最近でいうと「浅ヤン」ではないだろうか。
素人の中からアイドルを発掘する番組である。各都市でオーディションが開かれ、その様子が毎週放送される。最終的に勝ち抜いた人がCDデビューとなる。

 

私は「スター誕生」を見て育った世代だが、日本人の望むアイドルとオージーのそれとは、全く違うようだ。
日本でアイドルというと、歌のうまさ以外にルックス、スタイル、若さ、などが重視される。ところが、オーストラリアでは、ともかく「歌」なのだ。歌にさえ自信があれば誰でも簡単にオーディションを受けられる。

私達のイメージする”アイドル”とは明らかに趣を異にした”アイドル候補”達が堂々と参加する。かなり肥満気味の人や、ゲイ、年配者、さらに音痴の人でも、平気で応募してオーディションに登場している。

最終的に優勝したのはアフロヘアーがトレードマークのGuy 21才、2位にはShannonが選ばれた。どちらもすでにCDデビューを果たし、かなりの人気となって、シングル、アルバム両方ともで1位を獲得した。

優勝した Guy は好青年なので何となく理解できるが、2位のShannonは日本ではあり得ない”アイドル”ではないだろうか。
彼は27歳。すでに二度の結婚をしていて、前の奥さんとの間には2人の子供までいる。もちろん応援しているオージー達は百も承知で、一向に気にする様子はない。
つい最近ケアンズでコンサートが開かれたが、開演4時間も前からファンの女の子達の長蛇の列が出来たという記事が新聞に載っていた。娘の中学生の友達も 熱烈なファンのひとりで、「たしかに結婚していて子供もいるのは残念だけど、彼の歌が大好きだから、他のことはどうでもいいわ」とコメントしてくれた。

日本に長く住んだことのあるオージーの友達が言った。
「日本人はそのスキル(技能)以外にも外見やバックグランド(背景や経歴)をすごく気にするよね。こちらはその才能を評価するのだから、たとえば過去刑務 所に入ったことがあったとしても、その人の才能には関係がないよ。殺人なら別だけど」。

これはちょっと極端だが少なくとも日本人より、受け皿が大きいのは事実だろう。近い将来「ジャパニーズ・アイドル」が放送されたら是非とも見てみたいものだ。

 

Jose:(ご主人の転勤でブリスベンへ引越し。でもコメンテーターは続けてくれる、と!)
■コメント:"Australians have never really cared about a persons background. As long as they are talented, people don’t care if they are married or not or have children or not. I think that as long as someone is good at what they do, they will be successful regardless of their personal life. Aussies are generally very accepting."
(オーストラリア人は、その人がどんな経歴の持ち主かなんて、全く気にしないわ。才能がありさえすれば、結婚してようが子供がいようが関係ないし、プライ ベートなことがどうであれ、成功すると思うわ。オージーは寛大なのよ)

 

 

Matthew:(現在は英語教師として日本在住。彼女は可愛い日本女性!)
■コメント:"I think that it is probably because Australians are very accepting. We don’t care what his background is. Australians appreciate talent more than looks. That’s why I think that Japanese idols are stupid. Of course they look wonderful and are very attractive but they have no skills. Or maybe it’s because there aren’t any good looking Aussies!"
(オーストラリア人はたぶん受け皿が広いんだよ。経歴なんて関係ないさ。それに外見なんかより才能の方を大事にするね。こう言ったらなんだけど、日本のア イドルは、バカっぽいよね。もちろん、かっこいいし、魅力的だけど、スキルがないよな。でも本当の理由は、オージーにカッコいい人がいないからだったりし て!)

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■その49「時にはファショナブルに」

2007年09月05日

 

▲ご自慢のファッションセンス

 

 いつもはTシャツにショートパンツというカジュアルな服装の友人が、ファッショナブルなレディーに変身した。ひときわ目立つ華やかな帽子をかぶり、それに合わせたドレスで着飾る。

この日は地元で開かれる競馬ケアンズ・アマチュア・レースの開催日。イギリスの影響が色濃いオーストラリアでは競馬が市民の楽しみのひとつとなっている。
特に年一回開催されるアマチュア・レースの期間中は、女性達が目一杯おしゃれをして出かけていく。たった一回のレースのために、2000〜3000ドル もかけ、帽子、服、靴を新調する。女性達にとってはレースを楽しむというより、社交の場であり、また最新ファッションをチェックできる場でもある。
翌日の新聞には、レースの試合結果と並んでベストドレッサーやベストハットなどの賞が発表され、受賞した女性達が満面の笑みを浮かべて紙面を飾る。

 

私の友人の一人は見事このベストドレッサー賞を手にしたが、その熱の入れようはすごかった。彼女の部屋のコーナーには大きな木が一本置かれ、その枝には彼女のコレクションの帽子が30個以上は飾られていた。

また有名なメルボルンカップの開催日には国中が競馬一色になる。地元メルボルンは祝日になるらしい。普段競馬などとは縁がない人も、この日ばかりは、パ ブやレストラン、ホテルに繰り出して、大スクリーンに写し出されたお気に入りの騎手や馬に声援を送る。
有名ホテルのレストランでは、やはり華やかな帽子をかぶってドレスアップした女性のグループがテーブルを陣取り、この日のためのスペシャルランチ「メルボルンカップランチ」を楽しむ。
レース終了後、ホテルからベストハット賞などが発表になってプレゼントが送られ受賞者には会場から拍手が起こる。

一方で、「あれは私達と違う種類の人たちが楽しむものよ」と、冷めた見方をするオージーもいる。確かにカジュアルで、気取らないオージー達にとっては、 この日1日のためだけにお金をかけて着飾る人たちは特殊なのかもしれない。
平等を掲げるオーストラリアでも日本以上に貧富の差、階級の差が裏では存在するようだ。こうしたイベントを通して、オーストラリアの二つの側面を見ることが出来てとても興味深かった。

 

Sherri:(小学校教師。趣味はロックンロール・ダンス)
■ コメント:"The Melbourne Cup race is a big event on the Australian calendar. For the two minutes when the race is on, the whole nation stops to watch it. Workplaces all get together and watch the TV and even schools allow the children to watch it in the classrooms."
(メルボルンカップはオーストラリアの年間行事の中のビックイベントだわ。レース中の2分間は、全土で皆が足を止めてレースを見るのよ。仕事場ではテレビの前に皆が集まるし、学校でもこの日だけはクラス内でレースを見せてくれるの)

 

 

Edna:(孫、ひ孫の世話に忙しい近所のおばあさん)
■ コメント:"There is a saying that ‘no two hats are the same, because a Millener never makes the same mistake twice’. In the olden days hats were made by Milleners, and they would make every hat differently to fix the mistake made on the last one. So at the Melbourne Cup and the Cairns races no woman would be wearing the same hat. Nowadays it’s easy to see the same hats because they are made by the thousands in factories in Korea and China, not handmade by Milleners."
(「同じ帽子はこの世に 存在しない。Millenerは二度と同じ間違いをしないから」という諺があるの。昔はMillener(オーストラリアの帽子会社)が帽子を作っていた のだけど、新しい帽子は、前に作った帽子のミスを隠すように作られたから、皆違う形になったの。だから、メルボルンカップやアマチュア・レースで自分と同 じ帽子をかぶった女性がいるはずもなかったわ。でも、Milenerのような手作りと違って、今では韓国や中国の工場で作られているから、同じ帽子を見つ けることもできるでしょうね)


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